化学の偏差値が10アップするブログ

化学の偏差値が10アップするブログ

「原理」をしっかり学ぶことで、皆さんの化学の偏差値を上げる手助けをするブログ。主に高校化学の内容の解説や勉強方法を発信しています。

【高校化学】電気分解の各極のイオン反応式の作り方やルールを徹底解説!フローチャート通りにやれば簡単に作れる

 

f:id:nobita_60:20200812150025j:image

 

苦手な方が多いのが、この電気分解の範囲。中でも化学反応式の作り方に戸惑う方も多いはず。

 

今回は、電気分解の原理と、電池との違い

そして、電気分解における各電極のイオン反応式の作り方を徹底解説したいと思います。

フローチャートもお載せしますので、フローチャート通りにやれば簡単にイオン反応式が作れるようになります。

ぜひみていってください。

 

 

電気分解と電池の違い

 

イオン反応式を作る前に。

まずは原理を理解するのが大切ですので、電池との違いを踏まえて解説していきたいと思います。

 

電池は、各電極のイオン化傾向の違いによって、自発的に酸化還元反応が起こるのでしたね。

 

f:id:nobita_60:20200906074103j:image

 

電池は何も手を加えなくても、勝手に反応が進行します

では、下の図になるとどうでしょうか。

 

f:id:nobita_60:20200812150233j:image

 

2本の電極には、同じ銅電極が並んでいます。実際の電気分解は銅などの金属が電極の場合もありますし、安定なプラチナPtや炭素Cだったりします。

どちらにせよ、同じ2本の物質が電極として並んでいるのは間違えないです。

 

これだと、何も起こらないですよね。

 

電池はイオン化傾向に違いがあったから自発的に反応が進行しましたが、

この場合は電極のイオン化傾向に違いがない(あるいはそもそも反応しにくい)ので、自発的には何も起こりません。

 

自発的には反応が進行しないこの状態が電気分解です。

 

よって、電気分解を進行させるためには、

電池を各極に繋いで、強制的に酸化還元反応を起こさせる必要があります

 

 

電気分解の基本的な原理

 

先程も述べたとおり、

電気分解とは、自発的には何も起こらないので

電池を繋いで強制的に酸化還元反応を起こしてあげるもの、でした。

 

まずは前提として、

電池の負極は電気分解の陰極に、電池の正極は電気分解の陽極につなげる、ということを覚えておいてください。

プラスはプラスに、マイナスはマイナスに、です。

 

電気分解では、

電池の負極に繋いだ電極を陰極電池の正極に繋いだ電極を陽極といいます。

 

f:id:nobita_60:20200812150536j:image

 

ここからは大まかに陽極・陰極ではどのような反応が起こるのかを確認していきましょう。

 

順番として理解しやすい、陰極側から見ていきます。

陰極は電池の負極とつながっていました。電池の負極では、電子を放出する反応が起こっています

よって、電気分解の陰極では、電池の負極が電子を強制的に送り込んでくるので、電子を受け取る反応が起こっています

電子を受け取る、つまり、還元反応が起こっています。

 

次は陽極を見ていきましょう。

陽極は電池の正極とつながっていました。電池の正極では、電子を受け取る反応が起こっているんでしたね。

電池の正極で電子を受け取るためには、誰かが電池の正極へと電子を放出しなくてはいけません

その役割を、電気分解の陽極が担います。

よって、電気分解の電極では強制的に電子が奪われる反応が起きています

電子が奪われる、つまり、酸化反応が起こっています。

 

f:id:nobita_60:20200812150807j:image

 

 

電気分解のイオン反応式の作り方

・ 電気分解での具体的な反応原理

 

電気分解の陽極では電子を奪われる(=放出する)反応、陰極では電子を受け取る反応が起こっているのは理解したでしょうか。

ここから具体的な反応原理を見ていきたいと思います。

以下のような電気分解の装置を、例として考えていきます。

 

f:id:nobita_60:20200812150858j:image

 

電解液はMXという化合物。溶液中ではM+とX−に電離して存在しているとします。

 

陽極での反応

陽極では、電池が電子を欲しがっているので、誰かが電子を放出しなくてはいけません

電子を放出して、陽イオンになりそうな物質を図の中から探したいと思います。

 

① 電極を確認する

まずは、電極を確認しましょう。

電極が金属だった場合、金属が電子を放出して金属陽イオンになる反応が起きます。

なぜなら、金属元素の価電子は1〜2個。金属自体が電子を放出して、陽イオンになりたい物質だからです。

電池から電子を要求されたら、喜んで電子を放出します。

 

f:id:nobita_60:20200812150955j:image

 

② 電解液を確認する

電極が金属ではなく、安定なプラチナや炭素だった場合

仕方ないので、電解液中の誰かが電子を放出しなくてはいけません

電解液の中で陽極(プラス)に近づいてくる可能性があるものは、この中だとマイナスの電荷を持つX−か電気的に中性な水分子になっています。

 

では、X−と水分子のどちらが電子を放出するのでしょうか。

結論からいいますと、X−がハロゲンだった場合はX−が、それ以外だったら水が電子を放出します。

 

理由は、陰イオンのイオン化傾向です。陰イオンのイオン化傾向とは、

金属のイオン化傾向と同じように、陰イオンのイオンへのなりやすさの序列を表したもの。

ただ、高校化学の範囲外なので、覚える必要はありません。原理を理解する上では役立つので参考程度にみてください。

 

f:id:nobita_60:20200812151111j:image

 

このように水分子が持っている水酸化物イオンよりも、ハロゲンの方がイオン化傾向が小さいです。

よって、水分子とハロゲン化物イオンが共存する場合は、ハロゲン化物イオンが電子を放出して、ハロゲン分子に戻るような反応が起きます

(水よりもハロゲンの方がイオン化傾向が小さいってことは、ハロゲンの方が分子に戻りやすいということ。)

 

f:id:nobita_60:20200812151142j:image

 

ハロゲン化物イオンが電解液に存在しない場合は、仕方がないので水分子が電子を放出します。水の電気分解です。

中学校で習いましたが、水の電気分解の陽極では酸素が発生するんでしたね。

よって、水の電気分解が起こった場合、水が電子を放出して酸素が生成します。

液性によって、反応式が違うのが注意です。

 

f:id:nobita_60:20200812151232j:image

 

 

陰極での反応

陰極では電池から電子が送られてきます。よって、誰かが電子を受け取らなくてはいけません

 

陽極と同じように、まずは電極を確認しよう、ってなりがちですが、陰極では電極を確認する必要がありません

なぜなら、電極が金属であった場合も、金属は電子を受け取る能力はないからです。

金属は先ほども言ったように、1、2個の価電子を放出して陽イオンになりたい物質。

電子を放出する能力はあっても、受け取ることはできないのです。

 

よって、陰極の反応では電極は確認せず、電解液を最初から確認します。

 

① 電解液を確認する

陰極に近づいてくる可能性があるのは、プラスの電気を持っているM+か水分子になっています。

 

結論から言うと、M+のイオン化傾向が水素より小さい場合は、M+が電子を受け取って金属の単体に戻ります。

ちなみに、水素よりもイオン化傾向が小さい元素のことを重金属と言います。

 

イオン化傾向が、水分子が持っている水素より小さいと言うことは、水素イオンよりも金属の単体に戻りやすいということ。

よって、イオン化傾向が水素より小さい重金属のイオンが電解液中にある場合、重金属のイオンが電子を受け取って単体に戻るような反応が起きます

 

f:id:nobita_60:20200812151445j:image

 

電解液中にあるのが水素よりもイオン化傾向が大きい陽イオンだった場合、

仕方がないので、水分子が電子を受け取ります。つまり、水の電気分解です。

水の電気分解の陰極では水素が発生するのでした。

よって、水素よりもイオン化傾向が大きい陽イオンしか電解液中に存在しない場合は、水が電気分解をして水素が発生します。

 

f:id:nobita_60:20200812151603j:image

 

こちらも液性によって変わりますので、ご注意してください。

 

 

☆ まとめ 電気分解のイオン反応式のフローチャート

 

よって、電気分解のイオン反応式を作るためのフローチャートはこのようになります。

 

f:id:nobita_60:20201017095347j:image

(しばらく待ち受けにしてもいいかも。書き込みなしのものは下におきます)

 

電気分解の範囲の入試問題は

イオン反応式を書いた上で、mol計算をすることになります

mol計算をするためには、イオン反応式の係数が分からなくてはいけません。

なので電気分解のイオン反応式は、mol計算をするためにスラスラと書けるようにならなくてはいけません

 

イオン反応式をかけるようになるのが目標ではなく、mol計算ができるようになることが最終的な目標ですので

フローチャートをしっかりと頭に入れ、機械的にイオン反応式が書けるようにしてください

 

こちらのページにイオン反応式の練習問題を載せてますので、ぜひチャレンジしてください。

(後日掲載予定)

 

 

化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。

またぜひ、当ブログにお越しください。

 

f:id:nobita_60:20201017095359j:image

フローチャートの書き込みなしです。営利目的の使用や無駄使用はご遠慮ください。

公に触れない個人使用のみ利用可。