【化学基礎】アンモニアと二酸化炭素をみたら逆滴定!逆滴定の原理と計算を徹底解説
逆滴定、普通の中和滴定と何が違うのかいまいちよくわからないですよね。
苦手な人が多いのもこの分野です。
今回は、逆滴定の原理や計算方法について徹底解説していきたいと思います。
普通の中和滴定とは何が違うのか、しっかりと確認していきましょう。
☆ 逆滴定とは
ざっくりいってしまえば、逆滴定とは
気体の中和滴定、となっています。
逆滴定を用いる物質としては、アンモニアと二酸化炭素が有名です。
というか、アンモニアと二酸化炭素以外の逆滴定の問題を私はみたことがありません。
中和の範囲でアンモニアと二酸化炭素をみたら、逆滴定を疑いましょう。
また、なぜ気体(アンモニアと二酸化炭素)は逆滴定という少し変わった中和滴定をするのかというと
気体は普通の中和滴定をすることが困難だからです。
だって、気体を普通の中和滴定みたいにビュレットやコニカルビーカーに入れておくなんて無理ですよね。気体だから逃げちゃう。
よって、逆滴定とは
気体を大量の酸あるいは塩基に溶かして、余った部分を滴定する操作
となっております。
まだピンとこないと思います。次の章で詳しくみていきましょう。
☆ 逆滴定の詳しい原理
ここではアンモニアの逆滴定について考えていきましょう。
アンモニアは気体です。気体は普通の中和滴定は先ほどの理由からできません。よって、逆滴定を行います。
逆滴定の1ステップ目として、アンモニアは塩基ですので、大量の酸にアンモニアを溶かします。
なぜ大量の酸なのかというと、アンモニアにぴったりの酸なんて準備できないからです。
酸が少なすぎたら、アンモニアは全部溶けきれません。
アンモニアとちょうどの量の酸は、そもそもアンモニアのモル濃度がわかっていないのだから、用意できません。
よって、アンモニアを溶かすには十分量の酸(=つまり大量の酸)に溶かすしかないわけです。
大量の酸にアンモニアを溶かしきったら
アンモニアが溶けていない部分の酸を、アンモニアとは別の塩基で滴定します。
中和というのは必ず、
H+のmol = OH−のmol
の式が成立するのでしたね。
ここまでの、H+のmol = OH−のmolの関係性を図で表すとこのようになります。
これを中和の方程式で書き表すと、次のようになります。
求めたいもの(=今回はアンモニアのモル濃度)を文字式で置き、この方程式を解けば値を求めることができます。
このように、逆滴定を使うことによって、
周りくどい方法ではありますが、本来は滴定に向いていない気体の濃度を、中和滴定によって求めることができるのです。
☆ 逆滴定の練習問題
では、最後に練習問題を解いて、理解度を確認していきましょう。
(例題)
0.20 mol/Lの硫酸100 mLに、標準状態で56 mLのアンモニアを吸入させた。この混合溶液を中和するのに、0.1 mol/Lの水酸化ナトリウムは何mL必要か求めなさい。
(解説)
☆ まとめ
逆滴定とは、気体(主にアンモニアと二酸化炭素)の濃度を測るための中和滴定の方法である。
逆滴定は、まずは大量の酸あるいは塩基に気体を溶かして、気体が溶けていない余った部分を滴定する操作である。
逆滴定の計算は、通常の中和滴定と同じように
H+のmol = OH−のmol
の方程式を作れば良い。
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