化学の偏差値が10アップするブログ

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「原理」をしっかり学ぶことで、皆さんの化学の偏差値を上げる手助けをするブログ。主に高校化学の内容の解説や勉強方法を発信しています。

【高校化学】ルシャトリエの原理をわかりやすく徹底解説!圧力や温度、体積との関係性は?

 

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ルシャトリエの原理自体は何となく理解したけど、

希ガスを加えた場合や、体積一定で圧力を高くした場合、など

条件がややこしくなると、問題に答えられなくなる方も多いと思います。

 

今回はルシャトリエの原理について、様々な条件を例に徹底解説していきたいと思います。

入試でも頻出の範囲です。ぜひご覧になっていってください。

 

 

☆ ルシャトリエの原理とは

 

ルシャトリエの原理とは、

平衡状態にある反応において条件を変化させると、その条件が緩和する方向に平衡が移動することをいいます。

 

平衡状態の化学反応において、圧力や温度、分子の数などを変化させると平衡が移動して、新たな平衡が成立するということです。

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きちんとした言葉で説明すると、わかりづらいのですが

 

圧力を下げれば、圧力が下がる方向に

温度を上げれば、温度が下がる方向に

 

要するに、加えた条件を打ち消す方向に平衡は移動するよ、っていうのがルシャトリエの原理になっています。

 

ここからは、温度や圧力、濃度など様々な条件を変化させたとき

ルシャトリエの原理により、平衡がどのように移動するかを確認していきたいと思います。

 

 

☆ 様々な条件を変えてみたら

 

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上記の反応について、これからみていきたいと思います。

 

・ 濃度(物質の状態)を変化させた場合

 

反応物である窒素、水素を取り除く→反応物が増える方向に平衡が移動

よって、平衡はに移動します。

 

生成物であるアンモニアを取り除く→生成物が増える方向に平衡が移動

よって、平衡はに移動します。

 

 

・ 温度を変化させた場合

 

温度を上昇→温度が下がる方向に平衡が移動→吸熱反応側へ平衡が移動

よって、平衡はに移動することとなります。

 

温度を減少→温度が上がる方向に平衡が移動→発熱反応側へ平衡が移動

よって、平衡はに移動することになります。

 

 

・ 圧力を変化させた場合

 

圧力が上昇→圧力が下がる方向に平衡が移動→分子数が減少する方向へ平衡が移動

よって、平衡はに移動します。

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分子数と圧力の関係性について、ピンとこない人もいるかと思いますので解説していきます。

 

分子数が下がれば、圧力は減少します。

なぜかというと、圧力というのは気体の粒子などが容器などに壁に衝突するときに押す力のことをいいました。

分子数が少なくなれば、壁に衝突する回数が減りますので、圧力が小さくなります

 

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同じような原理で

圧力が減少→圧力が上がる方向に平衡が移動→分子数が上昇する方向へ平衡が移動

するので、例の化学反応においては、平衡は左に移動します。

 

 

☆ ルシャトリエの原理の応用

 

先ほどまでの条件が、ルシャトリエの原理の入試問題において出題される基本的な部分となっています。

ここからはレベルアップして、少し難しめの条件についても考えていきましょう。

 

・ 希ガスなどの化学反応に関係ない物質を体積一定で加えた場合

 

化学反応式に一切出てこない物質、今回だとアルゴンのようなものを体積一定で加えても

平衡は一切移動しません

 

体積が一定、というのが大切なポイントとなっています。

 

なぜ平衡が移動しないのかというと、気体はそれぞれ独立して考えるからです。

今回の化学反応式に登場するアンモニアなどの気体は、たとえアルゴンなどの別の気体が加えられたとしても

影響を受けることなく存在することができるのです。

 

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化学反応式に出てこない物質

すなわち関係のない物質を体積一定条件で加えたとしても、何も影響を受けません

よって、平衡は移動しないということになります。

 

・ 希ガスなどの化学反応に関係ない物質を、圧力を一定で加えた場合

 

先ほど同じように、今度は圧力一定でアルゴンを加えたとしたら

圧力が増える方向、すなわち分子数が増える方向である側に平衡が移動することとなります。

 

圧力が一定というのは、全圧が一定だということです。

全圧というのは、全ての気体の分圧の和です。

 

全圧を一定にしたままアルゴンを加えると、アルゴンの分圧を含めて全圧を保たないといけなくなるので

相対的に化学反応に関与する気体の圧力は減少します

 

気体の圧力が減少したら、ルシャトリエの法則的に気体の圧力が増加する方向へと平衡が移動します。

よって、分子数が増加する側へと平衡が移動するというわけです。

 

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・ 触媒を加える

 

触媒を加えたとしても、平衡は移動しません。

 

触媒というのは、別の活性錯合体を作るための物質でした。

詳しくはこちらのページをご覧ください。(URL)

 

活性化エネルギーを下げるのが主な役割でしたね。

 

活性化エネルギーが下がれば、正反応の反応速度は増加します。

同時に、逆反応の反応速度も増加するのです。

 

正反応と逆反応、どちらの反応速度も増加すれば、プラスマイナスはゼロになります

よって、平衡は移動しないこととなります。

 

 

☆ まとめ

 

ルシャトリエの原理とは

可逆反応において条件を変化させると、その条件変化を打ち消す方向へと平衡が移動することである。

 

化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。

またぜひ、当ブログにお越しください。