化学の偏差値が10アップするブログ

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「原理」をしっかり学ぶことで、皆さんの化学の偏差値を上げる手助けをするブログ。主に高校化学の内容の解説や勉強方法を発信しています。

【高校化学】化学平衡の基本の原理をわかりやすく徹底解説!質量作用の法則の導出方法など

 

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化学平衡。化学を勉強している人の中で、最もつまずく人が多い範囲となっています。

計算がややこしくて、いまいちよくわからないという人も多いはず。

 

今回は、そんな化学平衡の基本の原理を徹底解説していきたいと思います。

化学平衡の原理は、そんな難しいものではありません。

原理をしっかり押さえて、平衡の分野が得点源になるように頑張りましょう。

 

 

可逆反応不可逆反応

 

化学平衡の原理を学ぶ前に、押さえておくべき単語の意味を確認していきたいと思います。

 

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このような反応において、

反応物側から生成物側へと反応が進行する反応、すなわち右むきの矢印の反応のことを正反応

生成物側から反応物側へと反応が進行する反応、すなわち左むきの矢印の反応のことを逆反応といいます。

 

また、

正反応、逆反応ともに起こりうる化学反応のこと可逆反応

正反応のみしか起こり得ない反応のこと不可逆反応といいます。

 

今からお伝えする話は、入試で深く聞かれることはないので、興味がある方以外は飛ばしても構いません。

みなさん、どのような反応が可逆反応になって、どのような反応が不可逆反応になるかはご存知でしょうか。

 

可逆反応になりやすい化学反応とは、下のようなエネルギー準位をもつものです。

 

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正反応の活性化エネルギー、逆反応の活性化エネルギーの大きさを比較すると、どちらも大差がありません

正反応と逆反応を起こす労力はどちらも同じくらいになっています。

このような化学反応は、可逆反応になりやすいです。

 

一方、このように、

 

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正反応と逆反応の活性化エネルギーを比較すると、逆反応の活性化エネルギーが著しく大きくなってしまう場合

逆反応を起こすのにエネルギーが膨大に必要になってしまうので、逆反応が起こりにくい

すなわち、不可逆反応になりやすい化学反応といえます。

 

 

☆ 平衡状態とは

 

平衡状態とは、

正反応と逆反応の反応速度が同じため、一見反応が停止したように見える状態のことを指します。

 

ここで大切なのは、止まったように見えるだけで、実際に反応が停止しているわけではないということです。

 

正反応も逆反応も同じスピードだから、何も起こっていないように見えるけど

絶えず化学反応は起こり続けているということを、しっかりと頭に入れておいてください。

 

 

☆ 質量作用の法則(化学平衡の法則)の導出

 

ここから、みなさんがこれから計算でたくさん向き合うことになる

質量作用の法則(化学平衡の法則)という公式の導出をしていこうと思います。

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こちらの化学反応における平衡状態について、考えていきます。

 

まず、平衡状態とは先ほども述べたように、正反応と逆反応の反応速度が同じであるため、見かけ上反応が停止したように見える状態をいいました。

 

反応速度の分野で学習したように、正反応の反応速度をV1、逆反応の反応速度をV2、正反応と逆反応の速度定数をそれぞれK1、K2とすると

V1とV 2は

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このようにあらわすことができます。

平衡状態では、V1=V2ですので

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が成立します。さらにこの式を整理していくと

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となります。K1とK2はいずれも定数です。よって、K1/K2をひとまとめの定数Kとおくと

 

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というようにあらわすことができます。

このときの定数Kを平衡定数といい、定数Kが上の式のようにあらわすことができることを質量作用の法則(あるいは化学平衡の法則)といいます。

 

まとめると、

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です。ざっくりと左辺分の右辺が平衡定数だということを押さえておきましょう。(ただし、係数乗を忘れずに!)

 

また、平衡定数Kは先ほどの導出でわかるように、反応速度の定数であるK2/K1を置き換えたものです。

反応速度の定数であるK1、K2は温度により変化するものでした。

よって、平衡定数も同じように温度ごとに一定の値をとります。(言い換えれば温度によって平衡定数は変化します。)

 

☆ まとめ

 

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平衡定数は左辺分の右辺!

平衡定数は温度ごとに一定の値である。

 

 

化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。

またぜひ、当ブログにお越しください。