【高校化学】アルケンの性質(π結合・付加反応・マルコフニコフ則)についてわかりやすく徹底解説!
アルケンといえば、付加反応が有名ですよね。
では、アルケンがなぜ付加反応が起こりやすいのかは説明できますか?
今回はアルケンの立体的構造から、アルケンの付加反応について徹底的に解説していきたいと思います。
アルケンの立体構造についてしっかりと理解していると、ベンゼンなどの反応性についても理解しやすくなります。
(アルケンの立体構造について知らない人も多いですが、国公立大学の入試だと記述で出題されます。)
また、マルコフニコフ則についてもわかりやすく説明していますので、ぜひみていってください。
☆ アルケンとは
アルケンとは、
一般式CnH2nで表すことができる、二重結合を持っている有機化合物の総称をいいます。
アルケンは二重結合のうちの1本が切れて、切れた部分に物質がくっつく反応である付加反応が起こりやすいです。
なぜ付加反応が起こりやすいのかは、アルケンが持つ二重結合の立体構造を理解すれば、説明できるようになります。
☆ 二重結合の立体構造
まずは名称の確認です。
炭素どうしの間にある二重結合において、
1本目の結合をσ(シグマ)結合、2本目の結合のことをπ結合といいます。
アルケンにおいては、π結合の立体構造を理解することが大切となっています。
二重結合の1本目の結合であるσ結合は、平面上に位置しています。
では、π結合は立体的にはどのように位置しているのでしょうか。
結合というのは、電子からできていますよね。
お互いに不対電子を出しあっている結合が共有結合です。
σ結合もπ結合もマイナスの電荷を持つ電子からなっているので、
互いに反発しあって、なるべく遠くに位置しようとする力が働きます。
平面上にあるσ結合からなるべく遠くへ位置しようとした結果、π結合は立体的に飛び出しているような配置となります。
π結合は立体的に飛び出ている、これは
他の物質から攻撃をされやすいことを意味します。
よって、アルケンというのはπ結合が攻撃されるような反応が起きやすいです。
☆ アルケンの代表的な反応・付加反応
付加反応とは、π結合が切れて、余った結合の部分に他の原子がくっつく反応をいいます。
立体的に飛び出ているπ結合が攻撃された結果、π結合が切れて、付加反応が起こるわけです。
付加反応とは、π結合の立体的な配置があるからこそ起こる反応といえます。
よくある付加反応の例としては、
・ ハロゲン化水素
・ ハロゲン分子 ※1
・ 水分子 ※2
・ 水素分子
などがあげられます。どれも入試に頻出ですので、しっかりと確認してください。
特に注意してほしい反応としては※1の1種である臭素の付加反応です。
アルケンに臭素が付加反応すると、溶液が赤褐色→無色に変化します。
臭素はもともと赤褐色の色味を持つ物質です。アルケンに臭素が付加したことにより、臭素の色味がなくなって無色に変化したわけです。
この反応は、アルケンの検出反応として、入試に頻出となっています。
問題文中の文章に「臭素を添加したところ、溶液の色が無色になった」という記載があれば、それはアルケンであることを意味しますので
構造決定の問題に役立ててください。
※2のマルコフニコフ則については次の段落で詳しく解説します
☆ マルコフニコフ則とは
アルケンへの水の付加反応やハロゲン化水素の付加反応については、マルコフニコフ則について考える必要があります。
マルコフニコフ則を簡単にいうと、
水素をたくさん持っている炭素に水素がくっつく!
という法則となっています。
例えば、プロピレンの付加反応について考えみたいと思います。
プロピレンの炭素に番号を振りました。
①番炭素の方が、②番炭素よりも水素原子を多く持っていますよね。
よって、水素は①番炭素にくっつき、②番炭素にはヒドロキシ基(−OH)であったり、ハロゲンが付加するこということになります。
なので、上の図の水の場合で言うと、2−プロパノールが主生物で1−プロパノールは副生成物となります。
☆ まとめ
アルケンとは、二重結合を有する物質である。
アルケンの持つπ結合は、立体的に飛び出したような配置となっている。
よって、アルケンは付加反応が起こりやすい。
マルコフニコフ則とは、「水をたくさん持っている炭素に水素がつく」という法則である。
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