【高校化学】アルコールの酸化反応を級数に分けて徹底解説!なぜ酸化反応が起こるの?
有機化学の構造決定問題でよく出題されるアルコール。
特にアルコールの酸化に関する文章はよく見ることがありますが、原理まで言える人は少ないですよね。
今回はアルコールの酸化について、級数に分けながら原理をわかりやすく解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ そもそも酸化とは
アルコールの酸化について説明する前に。
そもそも酸化とは何だったのかを確認しましょう。
酸化とは、電子を失うこと。
酸素に着目した場合は、酸化とは酸素と化合すること。
水素に着目する場合は、酸化とは水素を失うことです。
アルコールの場合は(アルコールによらず有機物の場合は)、水素に関する定義が大切になってきます。
「酸化とは水素を失うこと」というのをしっかりと頭に入れておきましょう。
⭐︎ アルコールの酸化
アルコールの酸化はアルコールの級数によって生成物が変わってきます。
なので、級数に分けてアルコールの酸化について確認していきたいと思います。
・1級アルコール
ヒドロキシ基(ーOH)がついている炭素原子に水素原子が2個ついているアルコールのことを、第一級アルコールと言いました。
(メタノールはヒドロキシ基がついている炭素原子に水素が3個付いてますが、第一級アルコールです。)
第一級アルコールを酸化すると、アルデヒドを経てカルボン酸になります。
原理を説明していきます。
酸化とは、水素が取れることでしたね。
酸化をすると、ヒドロキシ基の水素原子とヒドロキシ基直結の炭素原子の水素原子が水素分子としてとれて、アルデヒドになります。
アルデヒドになった後は、酸素がくっつく「酸化」反応が起きてカルボン酸になるのです。
なお、第一級アルコールをアルデヒドで止めたい場合(止めてある場合)は、問題文に「穏やかに酸化した」といった記載があることが多いです。
反対にいうと、カルボン酸まで酸化した場合は「激しく酸化した」との記載があります。
文章のニュアンスや、アルデヒド特有の反応などによって、どこまで酸化してあるのかは見分けるようにしましょう。
・2級アルコール
ヒドロキシ基(ーOH)がついている炭素原子に水素原子が1個ついているアルコールのことを、第二級アルコールと言います。
第二級アルコールを酸化すると、ケトンになります。
理由としては、第一級アルコールと同じです。
酸化をすると、ヒドロキシ基の水素原子と、ヒドロキシ基直結の炭素原子の水素原子が水素分子としてとれてアルデヒドになります。
・3級アルコール
ヒドロキシ基(ーOH)がついている炭素原子に水素原子がついていないアルコールのことを、第三級アルコールと言います。
三級アルコールの場合、酸化しても何も起きません。
なぜなら、酸化によって取れる水素分子が存在しないからです。
「アルコールを酸化したが変化しなかった」などの文章を構造決定問題でみたら、三級アルコールを疑うようにしましょう。
⭐︎ アルコールの酸化に使われる試薬
アルコールの酸化に使われる試薬は、強い酸化剤である
「過マンガン酸カリウムKMnO4」か「二クロム酸カリウムK2Cr2O7」です。
この2つのどちらかを使って化学反応を起こした、というような文章を見かけたら酸化を疑いましょう。
⭐︎ まとめ
アルコールの酸化は、水素が取れること。
第一級アルコールを酸化すると、アルデヒドを経てカルボン酸に
第二級アルコールを酸化すると、ケトンに
第三級アルコールは酸化しても何も起こらない。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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