【高校化学基礎】電離度とは?わかりやすく・簡単に解説!酸と塩基の強弱について
化学基礎で1番最初に出てきて、応用化学でもずっとつきまとってくることになる電離度。
なんとなく計算で使っているけど、いまいち理解していない人はとても多いですよね。
今回は電離度とは何なのか、わかりやすく徹底解説していきたいと思います。
酸と塩基の強弱(強酸と弱酸、強塩基と弱塩基)との関係性についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ 電離度とは
電離度とは、電離している割合のことをいいます。
記号はα(アルファ)で表現されることが多いです。
電離度を表す公式は以下の通りです。
電離度は酸と塩基の全体量の中でどれだけの割合で電離をしたのかという概念ですので、
電離度α=1のときは全部が電離、
電離度α=0.5のときは半分だけ電離
電離度α=0のときは一切電離していない(分子のままの)状態になっています。
⭐︎ 酸と塩基の強弱
よく「強酸(強い酸)」とか「弱塩基(弱い塩基)」とかいいますよね。
とはいえ、どういう状態が強い酸で、どういう状態が弱い塩基なのか、いまいちピンときていない人は多いと思います。
強い酸(塩基)というのは、水素イオン(水酸化物イオン)をいっぱい出すものです。
弱い酸(塩基)というのは、水素イオン(水酸化物イオン)をあまり出さないものになっています。
水素や水酸化物イオンをいっぱい出す=電離をたくさんすることです。
水素や水酸化物イオンを出さない=分子のままでいるということになっています。
⭐︎ 酸と塩基の強弱と電離度の関係性
これをふまえて、酸と塩基の強弱の関係性について見ていきたいと思います。
強酸と弱酸を例に電離度との関係性を見ていきます。
強酸とは、水素イオンをいっぱい出す酸です。
水素イオンをいっぱい出すためには、たくさん電離しなくてはいけません。
例えば、塩酸を100個入れたら、塩酸は強酸でたくさん水素を出すので、ほとんどの塩酸が電離をして水素イオンを放出します。
100個入れたらほぼ全部の98個とか電離をするのです。
電離度αは全体のうち、どれだけ電離をして水素イオンになったのかということなので、
この場合塩酸の電離度αは、98/100 = 0.98になります。
逆に弱酸とは、水素イオンをあまり出さない酸です。
水素イオンをあまり出さないということは、電離をしないということ、つまり、分子のままの状態であることを指します。
例えば、酢酸を100個入れたら、酢酸は弱酸なのであまり水素を出しません。
水素を出さないということは電離をしないということなので、ほとんどの酢酸が分子のままの状態です。
100個入れたらほぼ全部の2個とかごくわずかしか電離しないのです。
電離度αは全体のうち、どれだけ電離をして水素イオンになったのかということなので、
この場合の酢酸の電離度αは、2/100 = 0.02になります。
つまり何が言いたいのかというと、
強酸=水素をいっぱい出す=電離をいっぱいする=電離度αは1に近づく
弱酸=水素をあまり出さない=電離はあまりしない=電離度αは0に近づく
という関係になっています。
酸の強さが強ければ強いほど、電離度αは1に近づいていくのです。
なお、強塩基・弱塩基は強酸・弱酸の水酸化物イオンバージョンとなっています。
⭐︎ まとめ
電離度とは、電離している割合のこと。
強酸・強塩基=水素・水酸化物イオンをいっぱい出す=電離をいっぱいする=電離度αは1に近づく
弱酸・弱塩基=水素・水酸化物イオンをあまり出さない=電離はあまりしない=電離度αは0に近づく
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
またぜひ、当ブログにお越しください。