化学の偏差値が10アップするブログ

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「原理」をしっかり学ぶことで、皆さんの化学の偏差値を上げる手助けをするブログ。主に高校化学の内容の解説や勉強方法を発信しています。

【高校化学基礎】電離度とは?わかりやすく・簡単に解説!酸と塩基の強弱について

 

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化学基礎で1番最初に出てきて、応用化学でもずっとつきまとってくることになる電離度。

なんとなく計算で使っているけど、いまいち理解していない人はとても多いですよね。

 

今回は電離度とは何なのか、わかりやすく徹底解説していきたいと思います。

酸と塩基の強弱(強酸と弱酸、強塩基と弱塩基)との関係性についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ 電離度とは

 

電離度とは、電離している割合のことをいいます。

記号はα(アルファ)で表現されることが多いです。

 

電離度を表す公式は以下の通りです。

 

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電離度は酸と塩基の全体量の中でどれだけの割合で電離をしたのかという概念ですので、

電離度α=1のときは全部が電離、

電離度α=0.5のときは半分だけ電離

電離度α=0のときは一切電離していない(分子のままの)状態になっています。

 

⭐︎ 酸と塩基の強弱

 

よく「強酸(強い酸)」とか「弱塩基(弱い塩基)」とかいいますよね。

とはいえ、どういう状態が強い酸で、どういう状態が弱い塩基なのか、いまいちピンときていない人は多いと思います。

 

強い酸(塩基)というのは、水素イオン(水酸化物イオン)をいっぱい出すものです。

弱い酸(塩基)というのは、水素イオン(水酸化物イオン)をあまり出さないものになっています。

 

水素や水酸化物イオンをいっぱい出す=電離をたくさんすることです。

水素や水酸化物イオンを出さない=分子のままでいるということになっています。

 

⭐︎ 酸と塩基の強弱と電離度の関係性

 

これをふまえて、酸と塩基の強弱の関係性について見ていきたいと思います。

 

強酸と弱酸を例に電離度との関係性を見ていきます。

 

強酸とは、水素イオンをいっぱい出す酸です。

水素イオンをいっぱい出すためには、たくさん電離しなくてはいけません。

 

例えば、塩酸を100個入れたら、塩酸は強酸でたくさん水素を出すので、ほとんどの塩酸が電離をして水素イオンを放出します。

100個入れたらほぼ全部の98個とか電離をするのです。

 

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電離度αは全体のうち、どれだけ電離をして水素イオンになったのかということなので、

この場合塩酸の電離度αは、98/100 = 0.98になります。

 

逆に弱酸とは、水素イオンをあまり出さない酸です。

水素イオンをあまり出さないということは、電離をしないということ、つまり、分子のままの状態であることを指します。

 

例えば、酢酸を100個入れたら、酢酸は弱酸なのであまり水素を出しません。

水素を出さないということは電離をしないということなので、ほとんどの酢酸が分子のままの状態です。

100個入れたらほぼ全部の2個とかごくわずかしか電離しないのです。

 

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電離度αは全体のうち、どれだけ電離をして水素イオンになったのかということなので、

この場合の酢酸の電離度αは、2/100 = 0.02になります。

 

つまり何が言いたいのかというと、

強酸=水素をいっぱい出す=電離をいっぱいする=電離度αは1に近づく

弱酸=水素をあまり出さない=電離はあまりしない=電離度αは0に近づく

という関係になっています。

 

酸の強さが強ければ強いほど、電離度αは1に近づいていくのです。

 

なお、強塩基・弱塩基は強酸・弱酸の水酸化物イオンバージョンとなっています。

 

⭐︎ まとめ

 

電離度とは、電離している割合のこと。

 

強酸・強塩基=水素・水酸化物イオンをいっぱい出す=電離をいっぱいする=電離度αは1に近づく

弱酸・弱塩基=水素・水酸化物イオンをあまり出さない=電離はあまりしない=電離度αは0に近づく

 

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【高校化学】酸と塩基の価数とは一体なに?求め方や覚え方など。一覧表は必要?

 

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pH計算や中和の量的関係の計算で使うことが多い価数。

何となく計算で使っているけど、価数が何なのかわかっていない人はとても多いですよね。

 

今回は、酸と塩基の価数について、定義や求め方、覚え方などを徹底解説していきたいと思います。

よく表にして覚えている人がいますが、必要ありません

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ 酸と塩基の価数とは

 

酸と塩基の価数とは、

酸や塩基の持っている水素イオンや水酸化物イオンの個数のことをいいます。

 

もう少し噛み砕いて説明すると、酸や塩基1分子から何個の水素イオンや水酸化物イオンを放出するかという概念になっています。

 

例えば、1価の酸の例として塩酸HClを例にあげてみたいと思います。

塩酸は電離すると、以下のような化学反応で表すことができます。

 

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塩酸1分子から1個の水素イオンを放出していることがわかります。

このように分子から1倍の水素イオンを放出するものが、1価の酸です。

 

今度は2価の塩基として、水産化カルシウムCa(OH)2を見ていきたいと思います。

水酸化カルシウムの電離式は以下の通りです。

水酸化カルシウム1分子から2分子の水酸化物イオンを出していることがわかります。

 

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このように分子から2倍水酸化物イオンを放出するものが、2価の塩基です。

 

価数は1分子から何倍の水素や水酸化物イオンを出すのかという概念なのです。

 

⭐︎ 価数の見分け方

 

基本的には、価数だけを丸暗記する必要ありません。

なぜなら化学式に入っている水素イオンや水酸化物イオンの数が、その酸や塩基のもつ価数にそのままなるからです。

 

例えば、硫酸H2SO4。化学式に水素が2つあるので、価数2の酸です。

例えば、水酸化アルミニウムAl(OH)3。化学式に水酸化物が3つあるので、価数3の塩基となっています。

 

化学式を見れば価数はわかります。

 

⭐︎ 酢酸とアンモニア

 

価数は覚えなくても、化学式を見ればわかります。

しかし例外で、酢酸とアンモニアの価数は覚えなくてはいけません

 

酢酸は化学式CH3COOHです。

普通に数えれば価数4ですか、1価の酸です。

 

アンモニアの化学式はNH3です。

普通に数えれば、3価の酸?って感じですが、1価の塩基となっています。

 

⭐︎ まとめ

 

価数とは、1分子から何個の水素イオンや水酸化物イオンを出すかの概念である。

 

化学式をみれば価数はわかるので、暗記する必要はない。

(酢酸とアンモニアの価数は1で例外)

 

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【高校化学】二量体とは。酢酸やフッ化水素はなぜ二量体になるの?簡単に説明してみた

 

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難しい大学の入試問題に出てきがちな二量体に関する問題。

凝固点降下などで出題されますが、そもそも二量体がなんなのかがわかっていない人はとても多いですよね。

 

今回は、二量体とはなんなのか、なぜ酢酸やフッ化水素は二量体を作るのかをわかりやすく解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ 二量体とは

 

二量体とは、同じ分子が2個、化学結合によってまとまったものを指します。

 

2つまとまって1分子と同じ振る舞いをするのです。

 

2つで1分子の振る舞いとはどのようなものか、酢酸を例にみてみます。

酢酸の二量体は以下のような状態です。

 

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酢酸の化学式はCH3COOHです。

1分子分の分子量は60です。

 

けれども酢酸は二量体を作り、2分子で1分子のように振る舞いますので、

見かけの分子量は60×2で120となります。

 

⭐︎ なぜ二量体ができるのか

 

二量体ができる理由は、水素結合を有するからです。

 

水素とF(フッ素)、O(酸素)、N(窒素)は電気陰性度の差が大きいので、水素結合を作ります。

 

例えば酢酸の場合は、C=Oの酸素と、OHの水素が水素結合を作り、二量体になります。

 

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同じく二量体を作る有名な物質にフッ化水素HFがあります。

フッ化水素は、分子間の水素とフッ素で水素結合を形成し、二量体となります。

 

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ちなみにフッ化水素は空気よりも分子量が小さいのに(軽いのに)下方置換法で捕集します。

(空気の分子量は28.8、フッ化水素の分子量は20なので、本来は空気よりも軽く上方置換法がてきしているようにみえます。)

 

しかし、フッ素は二量体を形成し、フッ化水素2分子分の分子量40として振る舞います。

二量体の状態では空気よりも分子量が大きくなり、下方置換法が適していることとなります。

 

⭐︎ まとめ

 

二量体とは、2つの分子が化学結合によって1分子として振る舞うようになること

 

二量体の代表例としては、酢酸やフッ化水素などがある。

 

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【高校化学】水酸化ナトリウムはなぜシュウ酸標準溶液で滴定する必要があるの?【中和滴定・実験考察】

 

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高校化学の1番の定番の実験は、中和滴定。

中和滴定の実験はお酢水酸化ナトリウムが1番多いですが、なぜか水酸化ナトリウムは「実験の前にシュウ酸標準溶液で滴定する」という操作がありますよね。

 

今回は、なぜ水酸化ナトリウムは中和滴定の前にシュウ酸標準溶液で滴定しなければいけないのかを徹底解説していきたいと思います。

実験の考察にあたる部分です。ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ 水酸化ナトリウムの性質

 

シュウ酸標準溶液で水酸化ナトリウムを事前に滴定しなくてはならない理由は、水酸化ナトリウムのとある2つの性質に由来します。

 

1つ目の理由は、水酸化ナトリウムが潮解性を持つということです。

 

潮解性とは、(空気中などの)水分を吸い込んで、ビチョビチョになってしまう性質のことです。

水酸化ナトリウムは放置しておくだけでも、空気の水分を吸い込んでしまいます。

空気中の水分を吸い込んでしまうということは、濃度が薄くなってしまうことを示します。

 

2つ目の理由は、水酸化ナトリウムは塩基なので、酸が近くにあれば中和反応を起こしてしまうということ。

身近にある酸とは、空気中の二酸化炭素です。

水酸化ナトリウム二酸化炭素は中和反応によって以下の化学反応を起こします。

 

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水酸化ナトリウム二酸化炭素の中和によって消費されてしまいますので、濃度が薄まってしまいます

 

⭐︎  シュウ酸の性質

 

水酸化ナトリウムと違って、シュウ酸は化学反応に乏しい、安定した物質です。

 

割と長時間放置しておいても、化学反応を起こしません。

つまり、濃度が変化しません。

 

なのでシュウ酸は、標準溶液として利用するのに適しています。

 

標準溶液とは、滴定や測定に用いられる、正確な濃度がわかっている溶液

 

⭐︎ 結論

 

水酸化ナトリウムは①潮解性があり、②二酸化炭素と中和反応を起こしてしまうため、濃度が薄まってしまいます。

正確な濃度の水酸化ナトリウム水溶液を作るのはとても難しくなっています

 

なので、水酸化ナトリウムを滴定に利用する場合は、安定なシュウ酸標準溶液で、滴定に使う直前に水酸化ナトリウム自身を滴定して正確な濃度を把握しておく必要があります。

 

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【高校化学】気体の分子量測定の実験についてわかりやすく解説!ピクノメーターを使ったデュマ法の原理

 

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入試にまれに出題するピクノメーターを使った気体の分子量を求める問題。

入試問題では長々と実験の手順が書いてあることが多いけど、読んでみても意味がわからないことが多いですよね。

 

今回はピクノメーターを使った分子量の求め方について、実験原理からわかりやすく解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ ピクノメーターを使った分子量測定について

 

ピクノメーターを使った分子量測定の実験のことを、化学の専門用語でいうと「デュマ法」といいます。

 

デュマ法の目的は、「分子量を求めること」です。

そして、分子量は「分子量を求めたい気体の質量」がわかれば、気体の状態方程式によって求めることができます。

 

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でも気体の重さって、測定することが難しいですよね。

そこらへんにある気体を捕まえて測定する、なんてことはできません。

 

今回は気体の質量をどのように測定するのかについてお伝えします。

 

⭐︎ デュマ法の実際の実験手順

 

デュマ法は「気体の分子量」を求めるために、「気体の質量」を測定する実験です。

デュマ法は3つのステップによって行われます。

 

手順1 メスフラスコに分子量を求めたい気体を多めに入れる。

 

メスフラスコに、分子量を知りたい物質を「液体」の状態でいれます。

目的の物質を入れたら、メスフラスコはアルミホイルで蓋をし、アルミホイルには穴を開けます。

 

このとき容器内は「目的物(量は容器よりも多め)+容器に入る空気+容器」が入っています。

 

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手順2 フラスコを熱し、液体を全て気体にする

 

①の状態のフラスコを熱します。

するとまずは空気がフラスコの外に出ていき、その後、目的物が蒸発して気体になります。

 

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完璧に目的物が蒸発して気体になったとき、容器には容器ぴったり分の目的物のみが入っている状態です。

空気は先に出ていってしまったので、入っていません。

 

手順3 容器と目的物を冷却し、重さをはかる

 

冷却すると、気体が凝縮して液体になります。

液体の体積は小さいので、また空気が容器内に充満します。

この状態で重さをはかります。

 

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これによって、「容器ぴったり分の目的物+容器+容器に入る空気の重さ」がわかります。

 

手順4 空の状態の容器の重さをはかる

 

目的物が入っていない、乾いた状態の容器の重さを測ります。

このときの質量は、「容器に入る空気+容器」分になっています。

 

⭐︎ 原理

 

(手順3で測定した質量)−(手順4で測定した質量)=容器ぴったり分の目的物の質量です。

 

このときの体積Vは容器の大きさ(L)、

圧力は大気圧とつり合っているので、1.0×10^5(Pa)、

温度は気体になったときの絶対温度(K)です。

 

これらの値を理想気体の状態方程式に代入すれば、分子量を求めることができます。

 

 

⭐︎ まとめ

 

ピクノメーターを使った実験は気体の分子量を求める実験である。

 

容器ぴったり分の試料の質量を求めることで、気体の状態方程式を使って分子量を求められる

 

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【高校化学】気体の捕集方法を徹底解説!覚え方や一覧表も【水素・二酸化炭素・アンモニアなど】

 

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無機化学の知識問題として聞かれがちな気体の捕集方法。

全ての気体について1個1個丸暗記していくのは大変ですよね。

 

今回は気体の捕集方法の考え方について、原理から徹底解説していきたいと思います。

丸暗記するよりも早いはずです。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ 捕集方法の種類

 

高校化学で覚えるべき捕集方法は3つあります。

 

上方置換法

空気よりも軽い気体を捕集する方法。

例 アンモニア

 

水上置換法

水に溶けづらい気体を捕集方法。

例 水素、一酸化窒素、一酸化炭素など

 

下方置換法

空気よりも重たい気体を捕集する方法。

例 二酸化窒素、二酸化炭素、塩素など

 

ここからは気体の捕集方法の見分け方についてみていこうと思います。

 

⭐︎ 上方置換法と下方置換法の見分け方・一覧表

 

気体の捕集方法は丸暗記しなくても判断できます。

 

空気の分子量は28.8です。(覚えてしまった方が色々便利です。)

 

分子量を計算してみて、空気の分子量よりも気体の分子量が小さかったら上方置換法

空気の分子量よりも気体の分子量が大きかったら下方置換法です。

ちなみに、空気と重さがあまり変わらないものは水上置換法となっています。

 

例えば、二酸化炭素の分子量は計算すると44です。空気よりも重たいので下方置換法です。

水素の分子量は2なので、水素は上方置換法でも間違いではありません。(水上置換法の方が一般的ですが。)

 

こんな感じで丸暗記しなくても、分子量を計算すればなんとなくは判断できますので、目安にするといいかなと思います。

 

各気体の捕集方法と分子量の一覧表を載せておきます。

 

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⭐︎ まとめ

 

気体の捕集方法は3つである。

 

上方置換法 … 空気よりも軽い気体を捕集する方法。

水上置換法 … 水に溶けづらい気体を捕集する方法。

下方置換法 … 空気よりも重たい気体を捕集する方法。

 

気体の捕集方法は空気の分子量(28.8)と比較することで、検討をつけることができる。

 

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【高校化学】コロイド粒子とは。コロイドの性質や特徴を簡単にまとめてみた。

 

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共通テストの正誤判定問題によく出題されやすいコロイド。

コロイドとはいったいなんなのか、いまいちピンときていない人はとても多いですよね。

 

今回はコロイドとは何なのかをわかりやすく解説していきたいと思います。

コロイドの特徴として出てきやすいチンダル現象ブラウン運動電気泳動」についても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ コロイド粒子とは

 

コロイドとは、直径が10^7から10^9 mの大きさの粒子のことをいいます。

 

コロイドは、粒子の大きさの概念です。

コロイドは、光をギリギリ反射する(=目に見える)大きさ・半透膜をギリギリ通ることができない大きさの粒子になっています。

 

直径が10^7から10^9 mというのは共通テストでたまに聞かれるので覚えておきましょう。

また、身近なコロイド粒子としては牛乳・雲・墨汁などがあります。

 

⭐︎ コロイドの特徴

 

コロイドは先述の通り、大きさの概念です。

このギリギリ光を反射することができる大きさだからこその、特徴的な性質や反応が3つあるので紹介していきたいと思います。

 

コロイドの性質① チンダル現象

 

コロイドはギリギリ光を反射することができる大きさの粒子です。

光が反射できるということは、反射した光が私たちの目に届いて「見える」ということ。

 

なので、コロイド粒子にレーザー光線等の光を当てると、光の経路が目に見えるようになります。

(空気などのコロイド粒子以外に光を当てても光の経路は見えないですよね。)

 

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このように、コロイド粒子に光を当てると光の経路がはっきりと観測できるようになることをチンダル現象といいます。

 

コロイドの性質② ブラウン運動

 

ブラウン運動とは、液体や気体の中にあるコロイド粒子が、液体や気体の熱運動によって動かされることによって小刻みに動くことをいいます。

 

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よく熱運動とブラウン運動の違いを入試で問われますが、

熱運動というのは、熱エネルギーによって粒子自身が運動することをいいます。

ブラウン運動とは、周りの粒子によってコロイド粒子が動かされる運動です。

 

コロイド粒子自身の熱運動ではなく、あくまでも周りの粒子の熱運動によって移動させられているのがブラウン運動なのです。

 

しっかりと区別して理解できるようにしましょう。

 

コロイドの性質③  電気泳動

 

コロイド粒子は、正・負どちらかの電荷を有しています。

正の電荷を持っているのか、負の電荷を持っているのかはコロイド粒子の種類によって違います。

 

(定番のコロイド粒子として、水酸化鉄(Ⅲ)は正の電荷を持ちます。水酸化鉄(Ⅲ)以外の電荷は覚える必要はなく、電気泳動によって自分で判断します。)

 

コロイド粒子は電荷を持っているので、コロイド溶液を電気分解すると、

正の電荷を持っているコロイド粒子は、負の電荷に引き寄せられて陰極に

負の電荷を持っているコロイド粒子は、正の電荷に引き寄せられて陽極に

移動することになります。

 

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このようにコロイド粒子が電荷を持っているからこそ、電気分解をした結果、粒子が陽極・陰極のどちらかに移動する現象を電気泳動といいます。

 

⭐︎ まとめ

 

コロイド粒子とは、直径が10^7から10^9 mの光がギリギリ反射できる大きさの粒子

 

チンダル現象とは、コロイド粒子に光を当てると光の経路がはっきりと見えるようになる現象。

ブラウン運動とは、液体や気体の中にあるコロイド粒子が、液体や気体の熱運動によって動かされることによって小刻みに動く現象。

電気泳動とは、電気分解をすると、粒子が陽極・陰極のどちらかに移動する現象。

 

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