【高校化学】気体の分子量測定の実験についてわかりやすく解説!ピクノメーターを使ったデュマ法の原理
入試にまれに出題するピクノメーターを使った気体の分子量を求める問題。
入試問題では長々と実験の手順が書いてあることが多いけど、読んでみても意味がわからないことが多いですよね。
今回はピクノメーターを使った分子量の求め方について、実験原理からわかりやすく解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ ピクノメーターを使った分子量測定について
ピクノメーターを使った分子量測定の実験のことを、化学の専門用語でいうと「デュマ法」といいます。
デュマ法の目的は、「分子量を求めること」です。
そして、分子量は「分子量を求めたい気体の質量」がわかれば、気体の状態方程式によって求めることができます。
でも気体の重さって、測定することが難しいですよね。
そこらへんにある気体を捕まえて測定する、なんてことはできません。
今回は気体の質量をどのように測定するのかについてお伝えします。
⭐︎ デュマ法の実際の実験手順
デュマ法は「気体の分子量」を求めるために、「気体の質量」を測定する実験です。
デュマ法は3つのステップによって行われます。
手順1 メスフラスコに分子量を求めたい気体を多めに入れる。
メスフラスコに、分子量を知りたい物質を「液体」の状態でいれます。
目的の物質を入れたら、メスフラスコはアルミホイルで蓋をし、アルミホイルには穴を開けます。
このとき容器内は「目的物(量は容器よりも多め)+容器に入る空気+容器」が入っています。
手順2 フラスコを熱し、液体を全て気体にする
①の状態のフラスコを熱します。
するとまずは空気がフラスコの外に出ていき、その後、目的物が蒸発して気体になります。
完璧に目的物が蒸発して気体になったとき、容器には容器ぴったり分の目的物のみが入っている状態です。
空気は先に出ていってしまったので、入っていません。
手順3 容器と目的物を冷却し、重さをはかる
冷却すると、気体が凝縮して液体になります。
液体の体積は小さいので、また空気が容器内に充満します。
この状態で重さをはかります。
これによって、「容器ぴったり分の目的物+容器+容器に入る空気の重さ」がわかります。
手順4 空の状態の容器の重さをはかる
目的物が入っていない、乾いた状態の容器の重さを測ります。
このときの質量は、「容器に入る空気+容器」分になっています。
⭐︎ 原理
(手順3で測定した質量)−(手順4で測定した質量)=容器ぴったり分の目的物の質量です。
このときの体積Vは容器の大きさ(L)、
圧力は大気圧とつり合っているので、1.0×10^5(Pa)、
温度は気体になったときの絶対温度(K)です。
これらの値を理想気体の状態方程式に代入すれば、分子量を求めることができます。
⭐︎ まとめ
ピクノメーターを使った実験は気体の分子量を求める実験である。
容器ぴったり分の試料の質量を求めることで、気体の状態方程式を使って分子量を求められる。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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