【化学基礎】酸と塩基をわかりやすく徹底解説!アレニウスの定義とブレンステッドローリーの定義の違いは?
酸と塩基には2種類の定義があるのは、多くの化学学習者の方達はご存知のはず。
だけど、いまいち2つの定義の違いがわかっていない方も多いのではないのでしょうか。
今回は酸と塩基の2つの定義である
「アレニウスの定義」と「ブレンステッド・ローリーの定義」の違いを例を用いて徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧になっていってください。
☆ 酸・塩基とは
まず初めに、広い意味での酸と塩基の定義を確認していきたいと思います。
「広義の意味での」酸と塩基の定義です。
酸とは、水素イオンH+を放出するもの。
塩基とは、水酸化物イオンOH−を放出するもの。
となっています。
塩基とは、耳馴染みがあまりない言葉かもしれませんが、中学の理科でいう「アルカリ」のことです。
ここからは、狭い意味ので酸と塩基の定義をみていきましょう。
☆ 2つの酸と塩基の定義
ここからは狭い意味での(狭義における)酸と塩基の定義について確認していきます。
入試問題においても、語句の穴埋め問題等で出題されることが多い分野ですので、自分の言葉で説明できるくらいしっかりと理解してください。
酸と塩基の定義は2種類あります。
定義の名前はどちらも人名です。
・ アレニウスの定義
アレニウスの定義によると、
酸とは、電離をして水素イオンH+を放出するもの。
塩基とは、電離をして水酸化物イオンOH−を放出するもの。
をいいます。
いってしまえば、広義の意味での酸と塩基の定義と同じになっています。
アレニウスの定義で大切なポイントは、アレニウスの定義が使えるのは、あくまでも水中限定であるということ。
水中以外の酸と塩基については、アレニウスの定義を当てはめることはできません。
アレニウスの定義は水中において、「電離した結果、何を放出するか」に着目した定義だといえます。
・ ブレンステッド・ローリーの定義
ブレンステッド・ローリーの定義によると、
酸とは、水素イオンH+を与えるもの。
塩基とは、水素イオンH+を受けとるもの。
のことをいいます。
アレニウスは水中での電離に着目した定義でしたが、
ブレンステッド・ローリーの定義は水素イオンの移動に着目した定義となっています。
例えば、アンモニアなんかは代表的なブレンステッド・ローリーの塩基となっています。
電離をしないのであれば、アンモニアは水中ではどのような状態で存在しているのかというと、
水中の水分子から水素イオンを受け取って、アンモニウムイオンと水酸化物イオンの状態で存在しています。
(※ アンモニアは水に溶けやすい気体です。)
図でブレンステッド・ローリーの定義を表すと次のようになります。
水中に限定されるアレニウスの定義と違って、ブレンステッド・ローリーの定義は場所を問わずに使用することができる、汎用性が高いものとなっています。
☆ まとめ
アレニウスの酸とは、水中で電離をして水素イオンH+を放出するもの
アレニウスの塩基とは、水中で電離をして水酸化物イオンOH−を放出するもの
ブレンステッド・ローリーの酸とは、水素イオンH+を与えるもの
ブレンステッド・ローリーの塩基とは、水素イオンH+を受け取るもの
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