【化学基礎】中和の化学反応式の作り方を徹底解説!水ができない場合はどうするの?
中和について何となく理解したけど、中和の化学反応式が書けない。
係数とかでいつも間違えてしまう人は多いですよね。
今回は、化学学習者がつまずきがちな中和の化学反応式について、その作り方を丁寧に解説していきたいと思います。
水ができない場合などの例外も取り扱っていますので、ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎中和とは
中和とは、
酸がもつ水素イオンH+と塩基がもつ水酸化物イオンOH−が反応し、水H2Oを作る反応をいいます。
中和が起こるとき、酸の陰イオンと塩基の陽イオンは互いに塩を作ります。
よって中和反応とは、
酸+塩基→水+塩
の反応を指します。
基本的には、水素イオンH+1分子と水酸化物イオンOH−1分子がくっつくことにより、水分子H2Oが1分子生成します。
中和反応が過不足なく(水素イオンも水酸化物イオンも余ることなく)反応している時は、
水素イオンH+の数=水酸化物イオンOH−の数
の関係になっていることを頭にしっかり入れておきましょう。
⭐︎ 中和の化学反応式の作り方
では、今から中和の化学反応式の作り方を確認していきたいと思います。
中和の化学反応式を作るときのコツですが、
「途中式感覚で電離式を書いて、水素イオンH+と水酸化物イオンOH−の数を合わせる」です。
ここからは具体的な物質を用いて、中和の化学反応式の作り方を学んでいきたいと思います。
例1:塩酸と水酸化ナトリウムの中和の化学反応式
まずは先述したとおり、酸と塩基のそれぞれの電離式を書いていきます。
塩酸 HCl → H+ + Cl−
水酸化ナトリウム NaOH → Na+ + OH−
中和反応は水素と水酸化物イオンが釣り合うときに、過不足なく進行します。
なので、水素イオンと水酸化物イオンの数を合わせていきます。
ただ、今回は水素イオンも水酸化物イオンも1個で数があってますので何もしなくても大丈夫です。
よって、中和の化学反応式は下のようになります。
中和の化学反応式 HCl + NaOH → H2O + NaCl
例2:塩酸と水酸化カルシウム
まずは途中式感覚で電離式を書きます。
塩酸 HCl → H+ + Cl−
水酸化カルシウム Ca(OH)2 → Ca2+ + 2OH−
そして、水素イオンと水酸化物イオンの数を合わせます。
今回は水素イオンの数が水酸化物イオンの数よりも少ないので、数が同じになるように塩酸の電離式の両辺を2倍します。
2倍した式は次のようになります。
塩酸 2HCl → 2 H+ + 2Cl−
よって、中和の式は下のようになります。
2個の水素イオンと2個の水酸化物イオンで水分子は2個できること、塩酸は2倍したので式にも2分子記入することに注意してください。
中和の化学反応式 2HCl + Ca(OH)2 → 2H2O + CaCl2
なお、生成する塩はカルシウムイオン1分子と塩化物イオン2分子なので、CaCl2です。
例外:塩酸とアンモニアの中和の化学反応式
最後に例外を紹介します。
先に結論をいってしまうのですが、例外とは水分子が化学反応式には現れない式のことを指し、
例外になるのは、99%アンモニアが絡んでいるときになります。
アンモニアを見た瞬間、例外が来るということを紐付けできるようにしましょう。
いつも通り電離式を書きます。
塩酸 HCl → H+ + Cl−
アンモニア NH3 + H2O → NH4+ + OH−
注意したいのは、アンモニアはブレンステッドローリーの塩基ですので、水素イオンを受け取ることで水酸化物イオンを放出するということです。
電離をするわけではありません。こういうことですね。
水素イオンの数も水酸化物イオンの数も釣り合っているので、そのまま式を合体させます。
見ての通り、両辺ともに水分子が現れることがわかります。
両辺それぞれに水分子が1分子あるので、数学の方程式と同じ感覚で互いを消すことができます。
よって、完成形の式は、
化学反応式 HCl + NH3 → NH4Cl
となります。
⭐︎ まとめ
中和とは、酸の出す水素イオンと塩基の出す水酸化物イオンが反応して、水と塩を作る反応である。
中和の化学反応式は、
① 電離式を書く!
② 水素イオンと水酸化物イオンの数を合わせる!
③ 合体!
の順で行うとうまくいく。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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