【化学基礎】酸化と還元の定義をわかりやすく徹底解説!電子・酸素・水素など
酸化と還元。いまいちイメージが分かりづらくて、苦手な方も多いですよね。
定義を丸暗記していて、「なぜこうなるのかわからない」と感じている方も多いと思います。
今回は酸化と還元の定義について、電子・酸素・水素の3パターンを原理を含めて徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
☆ 酸化と還元の定義(酸素)
酸化と還元について、まずは酸素に着目した定義をご紹介します。
ただし、注意をしてほしいことが1つあり、酸素に着目した定義をメインで使うのは、中学までです。
高校から使う酸化と還元の定義は「電子」に着目したものだと考えてください。
酸素に着目した定義において、
酸化とは、酸素と化合すること
還元とは、酸素を失うこと
をいいます。
酸化については、漢字をみればなんとなく想像できますね。
還元についても、もともと還元とは「元に戻す」ことを意味しますので(ポイント還元セールとかいいますね)、酸素を元に戻すことを意味します。
酸素に着目した定義をベースに、高校における酸化還元のメインの定義である
「電子」に着目した定義を確認していきたいと思います。
☆ 酸化と還元の定義(電子)
電子に着目した定義において、
酸化とは、電子を失うこと
還元とは、電子を受け取ること(化合すること)
をいいます。
しつこいですが、高校化学における酸化還元の定義は「電子」に着目した定義です。
なぜ、電子を失うと酸化、電子を受け取ると還元になるのか
酸素に着目した定義をベースに考えていきましょう。
☆ 電子に着目した定義の原理
まずは酸化について、酸素と化合したら電子がどのようになるのかを見ていきましょう。
例えば、ある物質Mに酸素が化合したとします。
化学において化合するとは、不対電子を出したって共有電子対を作ることです。
すなわち、共有結合ですね。
ここで思い出してほしいのは、電気陰性度という概念です。
電気陰性度とは、共有電子対を引っ張る力のことで、電気陰性度は各原子ごとに決まっています。
さらにいうと、電気陰性度が1番大きい元素はフッ素で、フッ素に周期表で近い位置にあればあるほど電気陰性度は大きいのです。
酸素は周期表においてフッ素の隣ですので、全元素の中で2番目くらいに電気陰性度が大きいです。
大抵の物質は、酸素より電気陰性度が小さい(=電子を引っ張る力が小さい)のです。
よって、ある物質Mと酸素の間にある共有電子対は酸素側に偏ります。
M目線で見てみると、ある物質Mは酸素とくっつくことによって電子を酸素に奪われて(=失って)しまっているのです。
これらのことから、電子を失うことを酸化と定義されました。
還元も同じで、ある物質Mが酸素原子を失うとします。
そうすると、酸素に奪われていた電子が元に戻ってきますよね。
よって、電子を受け取ることを還元といいます。
☆ 酸化と還元の定義(水素)
水素に着目すると、
酸化とは、水素受け取ること
還元とは、水素を失うこと
をいいます。
なぜ、水素を受け取ると酸化、水素を失うと還元になるのか考えてみましょう。
水素は周期表で、フッ素と真反対に位置します。
水素の電気陰性度って、比較的小さいのです。
なので、ある物質Mが水素と化合すると、その間にある共有電子対は物質M側に偏ります。
よって、M目線で考えてみると、水素と化合することによって水素の電子を奪う(=電子を受け取る)ことができるので、水素と化合することは還元です。
同様に、ある物質Mから水素が離れると、水素から奪っていた電子を失うことになるので、水素を失うことは酸化となります。
しっかりと原理で理解しておけば、定義を忘れても自分で考えることができるのではないのかなと思います。
☆ まとめ
酸化とは、電子を失うこと
還元とは、電子を受け取ること
酸化と還元の定義は、電気陰性度を用いて理解することができる。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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