【高校化学】水素結合とは何なのか、原理をわかりやすく解説!なぜ水素だけ特別なの?
入試の記述問題で理由になりがちな水素結合。
記述問題でとりあえず「水素結合があるから」と書いてるけど、原理自体がよくわかっていない人はとても多いですよね。
今回は水素結合について、その原理をわかりやすく徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ 水素結合とは
水素結合とは、
水素原子とフッ素F・酸素O・窒素N原子との間に働く、通常よりも強めの分子間力のことをいいます。
水素とFON(フォン)をみたら水素結合、としっかり語呂合わせで覚えておきましょう。
なお、あくまでも水素結合は分子間力(分子と分子の間に働く弱い結合)の1種であり、共有結合やイオン結合などよりは弱めの結合であるというのもしっかりと頭に入れておきましょう。
分子間力の中で最強なのが水素結合です。
分子間力の中でもなぜ水素結合が強いのかは後述していきます。
⭐︎ 水素結合の原理
水素結合は、水素とFON(フォン)の間にはたらく特に強い分子間力です。
なぜ水素結合が分子間力の中でも最強なのかというのを、しっかり確認していきたいと思います。
・電気陰性度をおさらい
電気陰性度という概念を覚えていますか?
水素結合を学ぶ上で欠かせない概念なので、ここでしっかりと確認していきます。
電気陰性度とは、共有電子対を引っ張る力の大きさのことをいいました。
要するに、電子を引っ張る力の大きさを表したのが電気陰性度です。
また、電気陰性度はFが最大となります。
周期表においてフッ素と近ければ近いほど電気陰性度は大きいし、
周期表において離れている元素どうしは電気陰性度の差が大きくなります。
周期表で離れている位置にあるものどうしは電気陰性度の差が大きい、この事実がとても大切なのでしっかりとおさえておきましょう。
・水素結合と電気陰性度
ここで水素結合を語る上で大切な、水素原子とFON(フォン)の電気陰性度を確認していきます。
周期表では水素とFON(フォン)は下のような位置関係にあります。
めっちゃ離れてる位置に水素とFON(フォン)があるのがお分かりでしょうか。
水素とFON(フォン)は周期表では対極的な位置にあり、電気陰性度の差がとても大きくなっています。
水素はめっちゃ電気陰性度が小さい(電子を引っ張る力が弱い)し、FONはめっちゃ電気陰性度が大きい(電子を引っ張る力が大きい)のです。
なので水素とFONが結合すると、水素とFONの間にある共有電子対は大きくFON側に偏ることになります。
その結果、水素とFONの化合物は水素側が大きくプラスに帯電し、FON側が大きくマイナスに帯電します。
すると水素部分にはマイナスをもつ原子が、FONの部分にはプラスをもつ原子がひきつけられるようになるのです。
このように、電気陰性度の違いにより水素とFONの電荷が大きくなった結果できる結合が水素結合となっています。
水素結合は大きな電気陰性度の違いによって生じるため、周期表の対極にある水素とFON(フォン)の間にしか形成されません。
⭐︎ 水素結合があることにより起こる現象
水素結合があると以下のようなことが起こります。
沸点・融点が高くなる
→ 結合力が強くなるので、粒子がバラバラになる温度(沸点・融点)が高くなります。結合が強いとバラバラになりづらいですよね。
乾燥剤などに利用されることも
→ 水H2Oは水素と酸素の結合なので、水素結合を有します。水素結合を利用して水分子をひきつけることによって、脱水・乾燥剤として利用されているものもあります。(例 シリカゲルなど)
⭐︎ まとめ
水素結合とは、水素とFON(フォン)の間にはたらく特に強い分子間力。
水素原子とFON(フォン)の電気陰性度の差が大きいことによって生じる。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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