化学の偏差値が10アップするブログ

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「原理」をしっかり学ぶことで、皆さんの化学の偏差値を上げる手助けをするブログ。主に高校化学の内容の解説や勉強方法を発信しています。

【化学基礎】第一イオン化エネルギーとは?最大と最小、グラフについて徹底解説!

 

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イオン化エネルギーという言葉を共通テストでみたことがある方は多いはず。

イオン化エネルギーが最小のものを選びなさい」…なんて問題も頻出となっていますが、考え方がわからない人も多いのではないでしょうか。

 

今回はイオン化エネルギーについて、最大最小の考え方、グラフなどを徹底解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

☆ 第一イオン化エネルギーとは

 

(第一)イオン化エネルギーとは、(一価の)陽イオンにするために必要な最小のエネルギーをいいます。

 

まだ、ピンとこない方も多いと思います。

 

そもそも、陽イオンとはどうして作られるのかというと、希ガスと同じ安定な配置になるために、電子を放出することで生成されます。

 

電子を放出すること=陽イオンになること、なのです。

 

よって、イオン化エネルギーとは言い換えると、

電子を放出するために必要な力(=陽イオンになるために必要な力)ということになります。

 

すなわち、電子を奪いとるために必要な力ですね。

 

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ここからは、イオン化エネルギーがどのような時に最小・最大をとるのか考えていきましょう。

 

 

イオン化エネルギーの最小と最大

 

イオン化エネルギーが最小の族

 

最初に結論から言ってしまうと、イオン化エネルギー1族のアルカリ金属が最小の値をとります。

 

イオン化エネルギーは、「電子を奪い取るために必要な力」です。

 

1族元素というのは最外殻電子が1個ですので、「あと1個電子を放出できれば、希ガスと同じ配置になれる」元素といえます。

なので、1族元素は自ら電子を放出して希ガスと同じ電子配置になろうとします

 

極端な話、エネルギーを加えなくても自ら電子を放出して陽イオンになろうとするのが1族元素ですので、イオン化エネルギーは小さくて済みます。

 

 

イオン化エネルギーが最大の族

 

イオン化エネルギー最大の族は18族の希ガスです。

 

なぜなら希ガスは安定だからです。

電子を出し入れしなくても既に安定なため、希ガスはそのままの電子配置を保とうとします

 

よって、電子を1個引き離そうとするだけでも膨大な力が必要になってしまいますので、イオン化エネルギーは大きくなります。

 

イオン化エネルギーのグラフ

 

イオン化エネルギー陽イオンになりやすい元素ほど小さく、陽イオンになりづらい元素ほど大きくなるといえます。

周期表で言うと、左下に行けば行くほどイオン化エネルギーは小さく、右上に行けば行くほどイオン化エネルギーが大きくなります。

 

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よって、横軸を原子番号、縦軸をイオン化エネルギーのグラフを作ると、下の画像のようになります。

(ざっくりとしてますが、お許しください。)

 

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赤丸で囲んだ飛び出ている部分は全て、希ガスの元素です。同一周期内の元素で見ると、希ガスが1番イオン化エネルギーの値が大きくなります

青丸で囲んだ部分はアルカリ金属元素です。同一周期内で見ると、アルカリ金属イオン化エネルギーが1番小さくなります

 

ちなみに同じ希ガス同士でも、原子番号が大きくなればなるほど、イオン化エネルギーが小さくなっていることがわかります。

これは原子番号が大きいほど原子半径も大きくなり、中心からの引力が弱まって、より少ない力で電子を奪い取ることができるからです。

 

イオン化エネルギー原子番号の関係性を表しているグラフを選びなさい、という文章で共通テストによく出題されますので

理由も込みで、グラフの形をしっかりと把握しておきましょう。

 

 

☆ まとめ

 

イオン化エネルギーとは、電子を1つ奪い取るために必要なエネルギー

 

イオン化エネルギーは、アルカリ金属で最小、希ガスで最大をとる。

 

化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。

またぜひ、当ブログにお越しください。