【化学基礎】ブリキとトタンの違いをイオン化傾向で徹底解説!トタンはなぜ錆びにくいの?【覚え方も】
資料集くらいにしか載っていないのに、やたらと共通テストで出題されるブリキとトタン。
ブリキとトタンの構成金属を覚えるのもごちゃごちゃしちゃうし、そもそも原理がよくわからないという人も多いですよね。
今回は頭の中で混ざりがちなブリキとトタンについて、イオン化傾向を用いながら徹底解説していきたいと思います。
覚え方も載せていますので、ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ ブリキ・トタンの定義
ブリキとトタンはどちらも鉄Feがベースとなっています。
では、この2つの何が違うのかというと
ブリキは鉄にスズSnをコーティングしたもの
トタンは鉄に亜鉛Znをコーティングしたもの
となっています。
コーティングをする金属によってその性質や使用用途などが変わってきますので、イオン化傾向を用いながらしっかりと確認していきたいと思います。
⭐︎ なぜ金属は腐食して(サビて)しまうのか
ブリキとトタンの違いを押さえていく前に。
そもそもの金属が腐食するメカニズムを確認していきたいと思います。
金属が腐食する=金属がイオンになること
です。
例えば、鉄に水が付着したとします。
すると、水中に存在する酸素が鉄から電子を奪い、鉄はイオンになります。
イオンになること、それはすなわち溶けることを意味しますので、鉄は水に濡れることによって腐食します。
当然、イオン化傾向が大きいものほどイオンになりやすいので、腐食しやすくなります。
⭐︎ ブリキとトタンはどちらが優れているのか
ブリキとトタンの性能を理解するには、イオン化傾向がとても大切になってきます。
イオン化傾向に焦点を当てながら、性能について確認していきたいと思います。
・ブリキ
ブリキは先述の通り、鉄にスズをコーティングしたものでした。
鉄とスズを比較すると、イオン化傾向は鉄>スズになっています。
イオンになりやすい鉄がスズに保護されていますので、内側まで腐食しづらいのがブリキの特徴です。
しかし、少しでも表面のスズに傷がついて鉄がむき出しになってしまった場合は、内側から腐食されていくことになります。
傷がつかなければ強いのがブリキの特徴です。
よって屋内などの傷がつきづらい環境で、なおかつ内側を保護するものに適しているもの。例えば「缶詰」なんかにブリキは利用されています。
傷さえつかなければしっかりと中の食材を守ってくれそうですね。
・トタン
トタンは鉄に亜鉛をコーティングしたものでした。
外側の亜鉛の方がイオン化傾向が大きいので、外側の亜鉛の部分から腐食していきます。
ただ、トタンは悪い面ばかりではありません。
外側の亜鉛が鉄よりもイオン化傾向が大きいので、傷がついたとしても内部は腐食されないというメリットがあります。
トタンは屋根などに利用されています。トタン屋根って言いますね。
屋根は屋外にあり天候などで傷つくことも多いと推測できますが、傷ついた部分に雨水が触れても外側しか腐食しないので致命傷を回避することができます。
記述で問われやすい部分ですので、しっかりと原理を押さえておいてください。
⭐︎ 覚え方
様々なサイトや参考書で語呂合わせが載っていますが、正直筆者は覚えづらいなと感じています。
無理矢理な頃ばかりで、逆に覚えるのが難しいです。
個人的には、語呂合わせではなく
「トタン」と「亜鉛」は響きが似ている、っていう感覚で覚えてます。
ブリキと亜鉛は似つかないですよね。
自分なりに覚えやすい方法を探してみるのもいいのではないかなと思います。
⭐︎ まとめ
ブリキは鉄に亜鉛をコーティングしたもの
トタンは鉄にスズをコーティングしたものである。
ブリキは傷がつかなければ内部を守ることがで、
トタンは傷がついてもある程度は内部を守ることができる。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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