化学の偏差値が10アップするブログ

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「原理」をしっかり学ぶことで、皆さんの化学の偏差値を上げる手助けをするブログ。主に高校化学の内容の解説や勉強方法を発信しています。

【高校化学】アルデヒド基の特徴を解説!フェーリング反応や銀鏡反応の原理・化学反応式の作り方など

 

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有機化学の構造決定によく出てくるアルデヒドに関する問題。

難しい大学になればなるほど深入りされることが多く、苦手意識を抱えている方も多いですよね。

 

今回はアルデヒド基の特徴(フェーリング反応・銀鏡反応)について、原理や化学反応式の作り方を徹底解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

 

 

⭐︎ アルデヒド基の構造と特徴

 

アルデヒド基は以下のような構造をもつ官能基になります。

 

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アルデヒドの覚えておくべき特徴は以下の通りです。

 

・弱い還元性がある

・酸化するとカルボン酸、還元をするとアルコールになる

 

2つ目の酸化するとカルボン酸、還元をするとアルコールに関してはアルコールの分野で学んだ通りです。

 

今回特に大切なのは、アルデヒド「弱い還元性があるということ」

本当に大切なので、頭にしっかり刻み込んでください。

 

⭐︎ アルデヒドの還元性について

 

アルデヒドは還元性(=相手を還元する性質)をもつことから、2つの代表的な化学反応を示します。

還元性を持つということは、自身は酸化するということ。

 

アルデヒドは先述の通り、相手を還元しているとき(=自身が酸化をされているとき)カルボン酸に変化しています。

アルデヒドがカルボン酸になるときの半反応式は以下の通りです。

 

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この式を①式とおきます。

①式はアルデヒドがカルボン酸になるということがわかっていれば、半反応式の作り方を使って自分で作れるものとなっています。

 

そしてこの式で押さえてほしいのは、この式は「可逆反応であること。

繰り返しでありますが、アルデヒドが持っているのは「弱い」還元性なので、化学反応を完全に起こすには相手を還元する力が足りないのです。

 

アルデヒドの還元性をしっかりと発揮するためには、条件を加える必要があります。

その条件について、ルシャトリエの法則を使ってしっかりと確認していきましょう。

 

ルシャトリエの法則とは、

条件を加えた場合、それが緩和する方向に反応が進行する、という法則となっています。

 

ルシャトリエの法則により①式を右側(アルデヒドが完璧に酸化される方向)へ持っていくための方法の1つとして、塩基を加えるというものがあります。

 

①式の右辺には水素イオンがありますので、塩基を加えれば中和反応がおき、水素イオンが消費されていきます。

水素イオンが少なくなれば、それを緩和する方向、すなわち水素イオンが増加する方向へと平衡が移動するのです。

 

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これによって、アルデヒドの酸化反応が完璧に進行することになります。

 

アルデヒドの還元性をしっかりと発揮するため(=アルデヒドの酸化反応がしっかりと進行する)には、塩基を加える必要があるというのを抑えて置いてください。

 

⭐︎ アルデヒドの化学反応

 

アルデヒドの還元性を利用した有名な反応が2種類あります。

「フェーリング反応」「銀鏡反応」です。

 

アルデヒドの還元性を発揮するためには塩基が必要だということを抑えながら、2つについてみていきましょう。

 

・フェーリング反応

 

アルデヒドにフェーリング溶液を加えることによって赤色沈殿が生成する反応です。

 

フェーリング液とは、硫酸銅水溶液と、酒石酸ナトリウムイオンを水酸化ナトリウム水溶液に等量ずつ混合した液です。

アルデヒドの酸化反応が完璧に進行するために水酸化ナトリウム(塩基)が加えられているのがわかります。

 

生成した赤色沈殿はCu2Oです。

化学式をよく問われますので覚えておきましょう。

 

なお、アルデヒドによって還元されているのは銅イオンです。

銅イオンが酸化銅Cu2Oになっている反応ですので、①式と組み合わせれば化学反応式が作ることができます。

難関大学等では出題されることがありますので、余力がある人は作ってみましょう。

 

 

・ 銀鏡反応

 

アルデヒドアンモニア性硝酸銀を加えることによって、銀が生成する反応

綺麗な銀の膜ができて鏡状になるので、銀鏡反応と言われます。

こちらもアンモニアを入れて塩基性にすることで、アルデヒドの酸化反応を完璧に進行するようにしてます。

 

なお、銀鏡反応については化学反応式を書きなさいという問題を私は目撃したことがないので(導入付きだと別ですが)、

化学反応式をかけるようにするのは重要度が低いのではないのかなと思います。

 

フェーリング反応も銀鏡反応も有機の構造決定でよく見かける現象です。

使う試薬と生成するものをセットで紐づけておきましょう。

 

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(画総数下げてしまいましたが、上の試験管がグルコースの銀鏡反応。綺麗ですよね。)

 

⭐︎ まとめ

 

アルデヒド弱い還元性を持ち、自身が酸化されるとカルボン酸になる

(※ アルデヒドの酸化を完璧に進行するためには塩基が必須)

 

フェーリング反応は、アルデヒドにフェーリング液を入れることによって赤色沈殿Cu2Oが生成する反応。

銀鏡反応は、アルデヒドアンモニア性硝酸銀を加えることによって銀が生成する反応

 

化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。

またぜひ、当ブログにお越しください。