【高校化学】アルコールの級数の見分け方を解説!何級かはどうやってわかるの?沸点についても
有機化学の構造決定に出てくるアルコールの問題。
アルコールの級数を知らないと解けない問題が多いので、級数の見分け方は早めにマスターしておきたいですよね。
今回はアルコールの級数の見分け方について、例を見ながら徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ アルコールの級数とは
アルコールの級数とは、アルコールがついている炭素の水素に着目した、アルコールの分類方法です。
アルコールの級数によって、起こる化学反応が変わってきますので、アルコールの構造決定問題を解く上ではとても重要になっています。
なおアルコールの「価数」とはまた違った概念ですので、しっかりと区別しておきましょう。
⭐︎ アルコールの級数の見分け方
アルコールの級数を見分けるためには、アルコールがついている炭素の水素原子が重要になってきます。
見分け方は以下の通りです。
第一級アルコール アルコールがついている炭素の水素原子が2〜3個
第二級アルコール アルコールがついている炭素の水素原子が1個
第三級アルコール アルコールがついている炭素の水素原子が0個
例えば、下の画像はアルコール(ヒドロキシ基)がついている炭素に水素原子が2〜3個になっていますので1級アルコールです。
下の画像の左側は、アルコールがついている炭素原子に水素原子が2個だから2級アルコール、
右側は、アルコールがついている炭素原子に水素原子がついていない(水素以外のものがついている)ので3級アルコールなっています。
見分け方さえ知っておけば簡単ですので、確実にマスターしておきましょう。
⭐︎ 例題
では、例題を作りましたので頭の中で答えてみてください。
次の画像の構造式の炭素において、①〜⑤の番号を振りました。
もし、①〜⑤の炭素にアルコールがついているとしたら、それぞれの炭素は何級アルコールになるか答えてみてください。
<答え>
わかりましたか?
構造決定問題において特に重要な分野ですので、スラスラと答えられるようにしておきましょう。
⭐︎ アルコールの級数と沸点について
アルコールの級数によって、沸点には違いが出てきます。
結論から言ってしまうと、
アルコールの級数が高いほど、沸点は低くなります。
理論化学の復習になりますが、沸点というのは結合が強いほど高くなります。
沸点は粒子がバラバラになる温度ですので、結合が強ければバラバラになりづらい。
結合が強ければ強いほど、たくさんの温度を与えてあげないと結合が切れませんので、沸点が高くなります。
そして「結合の強さ」ですが、分子間力は立体障害がないほど大きくなります。
直鎖状(真っ直ぐ)なものほど分子同士が接近しやすくなるので、分子間力が強くなります。
反対に、枝分かれが多いものほど分子同士が接近しづらくなるので、分子間力が弱くなります。
アルコールの場合は級数が大きいほど直鎖じゃなくなってきますので(立体障害が大きくなりますので)、
級数が高いと分子間力が弱くなって、沸点も低くなります。
⭐︎ まとめ
級数を見分ける際は、アルコールがついている炭素原子の水素の数に注目する。
第一級アルコールは、アルコールがついている炭素原子の水素が2〜3個
第二級アルコールは、アルコールがついている炭素原子の水素が1個
第三級アルコールは、アルコールがついている炭素原子の水素が0個
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