【高校化学】ベンゼンの置換反応を一覧!なぜ置換反応が起こりやすいの?
理系の化学に触れると、いやでもみる回数が多くなるベンゼン。
ベンゼンの有名な反応はしっかりと頭に入れておきたいですよね。
今回はベンゼンの置換反応について、覚えておくべき反応を1つにまとめてみました。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ ベンゼンは付加反応よりも置換反応が起きやすい
ベンゼンはπ結合が繋がったような構造を持つため、π結合の電子を攻撃して付加反応を起こそうとしても、電子に逃げられてしまいます。
→詳しい説明はこちら
よって、ベンゼンでは付加反応が起きづらく、代わりにベンゼン環についている水素原子が他の原子団と入れ替わる置換反応が起きます。
今回はベンゼンでよく入試で出題される置換反応について、1つ1つ丁寧にみていきたいと思います。
⭐︎ ニトロ化
ニトロ化とは、ベンゼン環の水素原子とニトロ基(ーNO2)が置き換わる反応をいいます。
具体的にはベンゼン環に、硫酸・硝酸の混合物(混酸といいます)を加えることによってニトロ化が起こります。
硫酸といえば、脱水剤として使われますよね。
硫酸の脱水作用により、ベンゼン環のH原子と硝酸のーOHが水分子として抜き取られる反応がニトロ化ともいえます。
※ 大学レベルでは違った説明がなされますが、今回は割愛します。
なおニトロ化は50℃から60℃の高すぎない温度で行うのが一般的です。
なぜかというと、100℃を超える高温ではニトロ化が1つのベンゼンにつき2個以上起こってしまい、とても危険だからです。
ニトロ基を3つ有するニトログリセリンは、ダイナマイトとして利用されていることはあまりにも有名です。
ニトロ基は危険だから温度に注意。
しっかりと頭に入れておきましょう。
なおベンゼン反応は、「反応の名前」と「反応を起こすための試薬」を必ずセットで覚えるようにしてください。
⭐︎ スルホン化
スルホン化とは、ベンゼン環の水素原子とスルホン基(ーSO3H)が置き換わる反応をいいます。
具体的にはベンゼン環に、硫酸を加えることによってスルホン化が起こります。
こちらも硫酸の脱水作用により、ベンゼン環のH原子と硫酸のーOHが水分子として抜き取られる反応だといえます。
⭐︎ ハロゲン化
ハロゲン化とは、ベンゼン環の水素原子とハロゲンが置き換わる反応をいいます。
ベンゼン環の水素原子とハロゲン原子が酸として抜き取られる反応です。
なお、下ではベンゼンのハロゲン化でよくみる塩素分子を例として取り扱っています。
⭐︎ まとめ
置換反応はベンゼン環の水素原子が他の原子と置き換わる反応
ニトロ化は、硫酸・硝酸の混酸を加えることで水素原子がニトロ基に
スルホン化は、硫酸を加えることで水素原子がスルホン基に
ハロゲン化は、ハロゲン分子を加えることで水素原子がハロゲン原子に置き換わっている。
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