【高校化学】カルボン酸を加熱・脱水したらどうなる?酸無水物の作り方についてまとめてみた
カルボン酸の脱水反応。
構造決定問題だけではなく知識問題としても出題されますので、しっかりと頭に定着させて置きたいですよね。
今回はカルボン酸の脱水反応について、覚えておくべき反応をまとめました。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ カルボン酸の脱水
カルボン酸は以下のような構造式を持つ化合物となっています。
カルボン酸には、「カルボン酸どうしが近くにいる場合、カルボン酸どうしで脱水反応を起こし酸無水物を作る」という特徴があります。
※カルボン酸に限らず、脱水反応は「硫酸」か「加熱」によって起こすことができます。
今回は酸無水物とは何なのか、よく入試に出題されるものから順に具体例をあげて解説していきたいと思います。
⭐︎ 無水酢酸
無水酢酸は、カルボン酸2分子が硫酸あるいは加熱によって脱水することで生成する物質です。
酸無水物は、カルボン酸の脱水反応よってできる物質のこと。(水が取れるから無水物。覚えやすいですね。)
よって、無水酢酸も2分子のカルボン酸から水分子を抜き取ったものとなっています。
⭐︎ マレイン酸とフマル酸
マレイン酸とフマル酸はどちらも化学式がC4H4O4で、お互いにシストランス異性体の関係にあります。
シス型がマレイン酸、トランス型がフマル酸です。
この2つの物質ですが、どちらかは脱水反応を起こしますが、どちらかは脱水反応を起こすことができません。
脱水反応を起こすのはマレイン酸です。
フマル酸はカルボン酸どうしが離れた位置にある(対角線上)ので、脱水反応を起こすができないのです。
マレイン酸はカルボン酸どうしが近くにあるので脱水反応を起こし、無水マレイン酸を作ります。
この2つの脱水反応の有無は、本当に入試によく出るのでしっかり覚えてください。
ちなみにこの2つの化合物には有名な語呂合わせがあるので紹介します。
「トラに(トランス)踏まれて(フマル酸)、マレイン死す(シス)」です。
C4H4O4の4、4、4の化学式をみたら、マレイン酸とフマル酸の脱水の有無の問題を疑いましょう。
⭐︎ 無水フタル酸
フタル酸はベンゼンにカルボン酸が2個くっついた化合物です。
ベンゼンにカルボン酸が2個くっついた化合物はオルト・メタ・パラの3種類考えられます。
ただ、カルボン酸が脱水反応を起こすのはあくまでもカルボン酸どうしが近くにいるときです。
離れている場合は、脱水反応を起こすことはできません。
よって、脱水反応を起こし無水物を生成するのはオルト体のみだということをしっかりと頭に入れておいてください。
⭐︎ まとめ
カルボン酸は、カルボン酸どうしが近くにある状態で加熱や硫酸を加えると脱水反応が起き、酸無水物をが生成する。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
またぜひ、当ブログにお越しください。