【高校化学】無水フタル酸と無水マレイン酸の作り方を解説!酸化開裂と脱水の組み合わせ反応
覚えることが多いベンゼンの化学反応。
闇雲に覚えるだけではなく、しっかりと反応原理も抑えておきたいですよね。
今回はベンゼンの酸化開裂反応について、無水フタル酸と無水マレイン酸の作り方をふまえながら徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ ベンゼンの酸化開裂反応とは
ベンゼンの酸化開裂とは、ベンゼン環を酸化バナジウムを触媒として酸化することによって、ベンゼン環の二重結合が2箇所切れる反応をいいます。
この際、ベンゼン環の炭素2つ分は二酸化炭素として分離するので、生成物の炭素数は2個減少するので注意してください。
ここからはより詳しい酸化開裂反応についてみていこうと思います。
⭐︎ 無水マレイン酸の作り方
無水マレイン酸はベンゼンを酸化バナジウム触媒下で酸化(酸化開裂反応)をすることで生成することができます。
ベンゼン環は酸化開裂反応を起こし、まず最初にアルデヒド基を2つ持った化合物ができます。
アルデヒド基は酸化するとカルボン酸になりますので、2つのアルデヒド基はそのまま酸化されてカルボン酸になります。
カルボン酸が2分子近くに存在するときは脱水反応がおきます。
生成した2つのカルボン酸を持った化合物は脱水反応を起こし、無水マレイン酸が生成します。
これらの一連の流れはたまに入試でも出題されますので、しっかりと覚えておきましょう。
⭐︎ 無水フタル酸の作り方
基本的には、無水マレイン酸の作り方と基本的な流れは同じになっています。
無水フタル酸はナフタレンを酸化バナジウム触媒下で酸化(酸化開裂反応)をすることで生成することができます。
ナフタレンのベンゼン環のうちの1つは酸化開裂反応を起こし、アルデヒド基を2つ持った化合物が生成します。
アルデヒド基は酸化するとカルボン酸になりますので、2つのアルデヒド基はそのまま酸化されてカルボン酸になります。
カルボン酸が2分子近くに存在するときは脱水反応がおきます。
生成した2つのカルボン酸を持った化合物は脱水反応を起こし、無水フタル酸が生成します。
無水マレイン酸も無水フタル酸も今までの有機化学の知識がしっかりと身に付いていれば難しくないと思いますので、しっかりと頭に入れておきましょう。
⭐︎ まとめ
酸化開裂反応とは、ベンゼン環の二重結合のうち2つを酸素を使って切断する反応である。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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