【高校化学】アセチルサリチル酸とサリチル酸メチルの違い・合成方法・用途・覚え方を徹底解説!
どちらも医薬品に使われていて名前も似ているし、頭の中でごちゃごちゃになりがちですよね。
今回はアセチルサリチル酸とサリチル酸メチルについて、両者の違いや合成方法・用途・覚え方について徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ サリチル酸のエステル化
アセチルサリチル酸もサリチル酸メチルも材料はサリチル酸となっています。
どちらもサリチル酸をエステル化することによって合成することができます。
エステル化というのは、
アルコールとカルボン酸が反応してエステルと水が生成する反応です。
カルボン酸を酸無水物に置き換えたエステル化のことを特にアセチル化といいます。
アセチル化は、アルコールと酸無水物が反応してエステルを作ります。
アルコール+カルボン酸
アルコール+酸無水物
の組み合わせである必要があるのです。
これをしっかり押さえておくと、誤って変な化合物を自分で作ってしまうことがないので確認しておきましょう。
⭐︎ サリチル酸メチルの合成方法と用途
先述のことを踏まえて、サリチル酸メチルとアセチルサリチル酸の合成方法を確認していきたいと思います。
サリチル酸メチルは、サリチル酸とメタノールを反応させることで生成できます。
メタノールはアルコールなので、アルコールと反応するのはサリチル酸のカルボン酸部分です。
よって、サリチル酸メチルの構造式は以下の通りになります。
サロンパスの原料です。消炎鎮痛剤にサロメチールは使われています。
補足ではありますが、サリチル酸メチルに含まれているフェノール系ヒドロキシ基って胃を荒らす成分なんですよね。
結構酷く胃を荒らしてしまうので、フェノール系ヒドロキシ基が含まれているものは飲み薬(経口摂取)には適していません。
だから塗り薬であるサロンパスなどに利用されています。
⭐︎ アセチルサリチル酸の合成方法と用途
アセチルサリチル酸は無水酢酸とサリチル酸を合成することで生成します。
無水酢酸は酸無水物なので、反応するはサリチル酸のヒドロキシ基部分です。
よって、アセチルサリチル酸の構造式は以下の通りです。
アセチルサリチル酸はアスピリンと呼ばれ、解熱鎮痛剤となっています。
風邪薬として使われていますので、しっかりと押さえておきましょう。
⭐︎ サリチル酸メチルとアセチルサリチル酸の覚え方
名前がややこしくて覚えられないという方も多いですよね。
命名法的な観点から見ると、語尾に〜酸とついているものは酸性物質になります。
つまり、カルボン酸が構造式としてしっかり残っているものが語尾が「酸」になるはずなのです。
サリチル酸メチルはサリチル酸のカルボン酸がエステル化したので、カルボン酸がしっかりとした状態で残っていません。
なので、語尾に「酸」はついていないサリチル酸メチルです。
アセチルサリチル酸はサリチル酸のアルコール部分とアセチル化したので、カルボン酸がしっかりとした状態で残っています。
なので、語尾に「酸」がついているアセチルサリチル酸となります。
⭐︎ まとめ
サリチル酸メチルとアセチルサリチル酸の合成方法と用途は以下の通りである。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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