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【高校化学】フェノールの4つの製法を解説!アルカリ融解やクロロベンゼンを使った方法も

 

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共通テストなどで聞かれることも多い、フェノールの合成方法。

フェノールの合成方法はたくさんあり、暗記に苦労している人はとても多いですよね。

 

今回はフェノールの合成方法3種類を、わかりやすく解説していきたいと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

(※残りの1種 クメン法はこちらから→◎)

 

 

⭐︎ フェノールの合成方法の種類

 

フェノールの合成には4種類の方法があります。

 

① クメン法

ベンゼンスルホン酸からの合成

③ クロロベンゼンからの合成

④ 塩化ベンゼンジアゾニウムの加水分解

 

の4つです。

 

ここでは、クメン法以外の3種類について解説していきたいと思います。

 

⭐︎ ベンゼンスルホン酸から合成する方法

 

ベンゼンスルホン酸からフェノールを作る方法は、以下の3ステップで行われます。

 

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①の工程は、スルホン酸(酸性)と水酸化ナトリウム塩基性)の中和反応によって、塩であるベンゼンスルホン酸ナトリウムを作っています。

②の工程は、アルカリ融解によってベンゼンスルホン酸ナトリウムのーSO3Naと、水酸化物イオンを置換する反応になっています。

 

アルカリ融解とは、本来起きることがない置換反応を無理やり起こす反応です。

純粋な水酸化ナトリウムを液体化することで、水酸化物イオンの濃度が濃い状況を作ることができます。

この状態で反応物と混ぜることによって、無理やり水酸化ナトリウム水酸化物イオンとーSO3Naを置換することができます。

 

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ただし、アルカリ融解によって生成したフェノールは酸ですので、すぐに水酸化ナトリウムと中和反応を起こし、ナトリウムフェノキシドになってしまいます。

 

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そこで工程③では、ナトリウムフェノキシド(弱酸の塩)にそれよりも強い酸性物質を加えることで目的物であるフェノールを弱酸の遊離反応で生成しています。

 

⭐︎ クロロベンゼンから合成する方法

 

クロロベンゼンからフェノールを作る方法は、以下の2ステップです。

 

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工程①では、高温高圧条件下にすることによって、本来は起きない水酸化ナトリウム水酸化物イオンとクロロベンゼンの塩化物イオンが置換されます。

ただし置換によって生成したフェノール(酸性)は、水酸化ナトリウム塩基性)との中和反応によって直ちにナトリウムフェノキシドになってしまいます。

(スルホン酸により生成する方法のアルカリ融解のときと同じです。)

 

そこで工程②では、ナトリウムフェノキシド(弱酸の塩)にそれよりも強い酸性物質を加えることで目的物であるフェノールを弱酸の遊離反応で生成しています。

 

⭐︎ 塩化ベンゼンジアゾニウムの加水分解

 

塩化ベンゼンジアゾニウムはとても不安定な物質です。

アゾ基の窒素原子は手が4本(本来なら3本が安定)あり、安定な窒素の状態になろうと化学反応を起こそうとします。

 

よって、不安定な塩化ベンゼンシアゾニウムを加熱することによって、安定な窒素が生成する反応を利用したのが、4つ目のフェノールの合成方法となっています。

 

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⭐︎ まとめ

 

フェノールの合成方法は以下の4つである。

 

① クメン法

ベンゼンスルホン酸からの合成

③ クロロベンゼンからの合成

④ 塩化ベンゼンジアゾニウムの加水分解

 

化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。

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