【高校化学】分子の形の見分け方を解説!VSEPR則をわかりやすく解説してみた
共通テストによく出題されがちな分子の形。
よくみる分子だったら対応できるけど、初見の分子には対応できない人が多いですよね。
覚えるしかないのか不安になっている人も多いはず。
今回は分子の形を決定する法則「VSEPR則」について徹底解説していきたいと思います。
応用が入る内容ですが、なるべくわかりやすく解説していきます。
これがわかると分子の形は暗記ではなくなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ よく出題される分子の形
よく入試に出題される分子の形として、以下の物質と以下の形があります。
この4種類の物質の形は本当によく入試でみますので、覚えてしまってもいいかもしれません。
ここからは分子の形が決定する原理について確認していきたいと思います。
⭐︎ VSEPR則とは
VSEPR則(原子価殻電子対反発則)とは、分子の形を予測するための法則となっています。
読み方はそのままアルファベット読みです。
VSEPR則は、ざっくりと2つの法則からできています。
(難しい理論なので、分子の形を決定する上で必要な部分だけにしぼっています。)
① 電子のまとまりは反発して、なるべく遠くにいこうとする
② 分子の形は原子がある部分によって作られる
これだけみてもピンとこないと思うので、具体例をもとにVSEPR則について確認していこうと思います。
⭐︎ VSEPR則の具体例〜水は折れ線でなぜ二酸化炭素は直線なのか〜
今回は例として、水と二酸化炭素を用いて説明していきたいと思います。
水は折れ線形で、二酸化炭素は直線形です。
なぜ同じような原子の構造なのに(真ん中に中心元素があって、その両脇に同じ元素がある)、分子の形が異なるのか疑問に抱いている人は多いはずです。今回はそちらの疑問も確認していきたいと思います。
まず、水と二酸化炭素の電子式は以下の通りです。
水の酸素原子の周りには電子のまとまり(電子対ではないです。)が4つ、二酸化炭素の炭素原子の周りには電子のまとまりが2つあるのがわかります。
ここでVSEPR則の1個目の法則です。
「① 電子のまとまりは反発して、なるべく遠くにいこうとする」です。
電子は互いにマイナスの電荷を持っていますので、反発して遠くにいこうとします。
遠くにいこうとした結果が、
水の酸素原子の周りの4つの電子のまとまりは正四面体形に、二酸化炭素の炭素原子の周りの2つの電子のまとまりは直線形になります。
ちなみに、電子のまとまりが中心元素の周りに3つあれば、電子は反発して三角形になります。
つまり、水の場合は電子の形が正四面体形、二酸化炭素は電子の形が直線形なのです。
ここで2つ目の法則を使って、分子の形を決定していきます。
「② 分子の形は原子がある部分によって作られる」です。
原子がある電子は形を作るけど、原子がない電子は分子の形には関与しないのです。
水と二酸化炭素の原子がある部分を繋いでいくと以下のようになります。
よって水は折れ線形、二酸化炭素は直線形になります。
分子の形はVSEPR則によって、
電子の形を決める→分子の形を決めるの順番で決定することができます。
⭐︎ まとめ
VSEPR則とは、分子の形を決定する方法である。
VSEPR則によって、分子の形を決定する手順は以下の通り。
① 電子の形を決める
電子のまとまりは反発することから、電子の形を考える
② 分子の形を決める
分子を作るのは原子なので、原子があるところだけをつなげていく
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