【高校化学】アセチル化は無水酢酸でなぜ起こるの?エステル化との違いとは
構造決定問題でよく出題される「アセチル化」。
名前はなんとなく知っているけど、この反応の原理まで理解している人は少ないですよね。
今回はアセチル化について、反応が起こる原理などもふまえながら徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ エステル化とアセチル化
アセチル化を理解するためにはエステル化を確認しておく必要がありますので、確認しておきましょう。
エステル化とは、アルコールとカルボン酸を脱水することによってエステルを生成する反応をさしました。
ここでポイントとなってくるのは、エステル化は可逆反応だということです。
エステル化は可逆反応ですので、エステル化のみを起こそうと思っても起こすことはできません。
エステル化と同時に、逆反応である加水分解反応も起こってしまいます。
それをふまえてアセチル化は、
エステル化において、加水分解反応を起こさずにエステル化のみを不可逆にした反応ということができます。
⭐︎ アセチル化の原理
アセチル化は、エステル化において加水分解反応を起こさないようにしたものだと先述しました。
それについて確認していきたいと思います。
ところで、皆さんに問題です。
下のエステル化の平衡反応は、どうすればエステル化のみを起こすことができるでしょうか。
ルシャトリエの原理的に、
・生成物(エステルまたは水)を減らす
・反応物(カルボン酸またはアルコール)を増やす
ことができれば、平衡はエステル化の方向へと移動させることができますよね。
アセチル化は、反応物であるカルボン酸を増やすことによって、エステル化のみを起こす手法だということができます。
どういうことかというと、まず、下にアセチル化でよく利用される無水酢酸の構造式を書いてみたので見てみてください。
その際、カルボン酸の構造式を思い浮かべながら、無水酢酸をカルボン酸を見比べてみてください。
無水酢酸を見てみると、カルボン酸「ぽい」ものが1分子につき2個入っているのがわかりますよね。
つまり何が言いたいのかというと、
無水酢酸を1分子加えるだけで、カルボン酸を2分子加えたときと同じような反応を起こすことができるのです。
当然カルボン酸の量が増えるので、カルボン酸が減る方向であるエステル化の方向へと反応が移動することとなります。
よってアセチル化とは、無水物を使うことによって、エステル化を不可逆的にしたものだということができます。
アセチル化の式を下に書いておきましたので、確認ください。
⭐︎ まとめ
アセチル化とは、カルボン酸の代わりに無水物を使ったエステル化のこと。
無水物を使うことによって、本来は可逆反応であるエステル化を不可逆的にすることができる。
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