【高校化学】氷が水に浮く理由は?水素結合や密度を絡めて簡単に解説!
水以外の物質は、基本的には液体よりも固体の方が密度が大きくなりますよね。
「水だけはなぜ固体の方が密度が小さいんだろう」と疑問に思う人も多いはず。
今回は氷が水に浮く理由を、水素結合や密度を絡めながら化学的に説明していきたいと思います。
記述でよく聞かれる部分でもありますので、しっかりとマスターしていきましょう。
⭐︎ 水以外の物質の密度
基本的に、水以外の物質の密度は固体>液体となっています。
なぜなら固体の方が熱運動が小さく、物質の体積が小さくなるからです。
密度は単位体積あたりの質量なので、同じ質量だったら、体積が小さいほど密度は大きくなります。
⭐︎ 水の密度が液体>固体の理由
水は例外的に密度が液体>固体となっています。
その理由には、水素結合が関係しています。
水は水素と酸素の化合物ですので、水素結合が働きます。
水素結合には「向き」が存在し、電子同士の反発が少なくなる方向で水素結合を形成します。
電子の反発が少なくなるような形でできた氷の構造がこちらです。
氷は水素結合のせいで、立体的に隙間が多い、スカスカな構造となっているのです。
一方、液体の水の状態は下のようになります。
水素結合のような結合が働いていない分、水分子同士がぎゅうぎゅうに詰まったような状態になります。
よって、水素結合によってできた空洞の多い立体構造により、
氷の体積>>液体の水の体積となるので、
水の密度は液体>固体となります。
密度が液体>固体ですので、「氷は液体の水に浮く」という現象が起こるわけです。
もしも記述で問われた場合は、「水素結合があるから」だけで十分丸になります。
⭐︎ 水素結合が切れる温度
ちなみに、水素結合が切れる温度は「4℃」です。
たまに共通テストなどで問われるので覚えておくといいでしょう。
4℃以上の温度の時は、水素結合が切れて粒子が動けるようになり、
温度の上昇に伴い、水の体積が大きくなります。
つまり、温度が上昇するにつれて、密度がどんどん小さくなります。
4℃ちょうどの時には、水素結合が形成されはじめ、
温度が下がるにつれて、しっかりとした水素結合が形成されて体積が大きくなります。
水は4℃の時が1番体積が小さくなる。
すなわち、4℃の時に密度が1番大きくなるのです。
宝石ブランド「4℃」なんかの由来にもなっている現象です。
⭐︎ まとめ
氷は水素結合によって立体的に隙間が大きい構造を取るため、密度が液体の水よりも小さい。
よって、「氷が水に浮く」現象が起こる。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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