【化学基礎】イオン結晶の特徴や性質を徹底解説(割れやすい理由、電解質・非電解質など)
イオン結晶の性質は、共通テストの正誤判定問題などをはじめとして、入試問題に頻出な分野となっています。
入試問題で、イオン結晶の正誤判定問題などをみたことある人も多いはず。
今回はイオン結晶の特徴および性質を、入試に出やすいところを重点的に徹底解説していきます。
電解質と非電解質の用語の確認や、割れやすい理由なども原理から説明していますので、ぜひ最後までご覧ください。
☆ イオン結晶とは
イオン結晶とは、陽イオンと陰イオンが静電気力によって集合してできた結晶のことをいいます。
静電気力は、陽イオンの持つプラスの電荷と陰イオンの持つマイナスの電荷が引き付け合う力をいいます。
イオン結晶の粒子は、プラスの粒子同士やマイナスの粒子同士が接触してしまうと反発してしまうため、プラスの粒子とマイナスの粒子が交互に並んでいます。
以上のことを踏まえて、イオン結晶の特徴について確認していきましょう。
☆ イオン結晶の特徴 一覧
イオン結晶には以下のような特徴があります。
⚫︎ 融点が高い
⚫︎ 硬いが、もろい
⚫︎ 水溶液は電気を通す
それぞれの理由を確認していきましょう。
・ 融点が高い理由
この感覚が大切なので掴めるようになって欲しいのですが、融点とは、粒子がバラバラになる時の温度をいいます。
もっといえば融点とは、固体における粒子同士の結合が切れて、粒子が流動し始める(=動き始める)時の温度をいいます。
よって、結合が強ければ強いほど粒子はバラバラになりづらいので、融点は高くなります。
静電気力による結合のことを、イオン結合と言いました。
イオン結合は比較的に強い結合ですので、粒子はバラバラになりづらく、融点は高くなります。
・ 硬いが、もろい理由
イオン結晶は、先ほども述べたように結合力が強いので、バラバラになりづらいという特徴を持っています。
バラバラになりづらい、すなわち硬いということになります。
では、もろい理由は一体なんなのでしょうか。
共通テストなどでも「もろい」という表現を使っているので、ここでも「もろい」という表現を使いますが
「もろい」というのは、「割れやすい」ということになります。
割れやすい理由は、入試でも問われることがあるので確認していきましょう。
イオン結晶は、プラスの粒子とマイナスの粒子が交互に並んでできています。
繰り返しますが、隣あわせの粒子同士は硬いイオン結合で繋がれているので、滅多なことがない限り結晶が壊れることがありません。
しかし、とんでもない力が一定方向に働いて、粒子の配列がずれてしまったらどうなるのでしょうか。
例えば、下の図の矢印の向きに粒子配列を崩してしまうほどの大きな力が働き、図のように粒子配列が移動してしまったらどうなるでしょうか。
普段はプラスとマイナスの粒子が交互に並んでいるはずなのに、プラス同士とマイナス同士が横並びになってしまっています。
同じ符号の粒子同士は反発し合いますので、イオン結晶は下の図のように割れていってしまいます。
この一連の流れが、「イオン結晶は(普段は)硬いが、もろい(割れやすい)」という表現になっています。
・ 水溶液は電気を通す理由
まず初めに、抑えておきたい単語があります。電解質と非電解質です。
電解質とは、水に入れると電離をする物質
非電解質とは、水に入れても電離をしない物質
のことをいいます。
電離とは陽イオンと陰イオンに水溶液中で分かれることで、イオン結晶は一部の例外を除き電解質です。
電離したイオンが電気を運んでくれる役割をするので、イオン結晶は水に溶かすと電気を通します。
ちなみに、よくある共通テストの引っかけ問題として、「イオン結晶は電気を通す」という正誤判定問題があります。
答えは×です。
イオン結晶はあくまでも電離した状態で電気を通すのであって、結晶(固体)の状態では電気を通さないからです。
本当によく出題される問題になっていますので、しっかりと確認しておきましょう。
☆ まとめ
イオン結晶とは、陽イオンと陰イオンが静電気力によって交互に並んでできた結晶。
イオン結晶の性質として、
⚫︎ 融点が高い
⚫︎ 硬いが、もろい
⚫︎ 水溶液は電気を通す
がある。
化学の偏差値10アップを目指して、頑張りましょう。
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