【高校化学】分子結晶の一覧や見分け方!硬さや融点・分子間力との関係性は?
化学の4種類の結晶の一つが分子結晶。
結晶の種類が多すぎて、いまいち特徴が頭の中でこんがらがっている人はとても多いですよね。
今回は分子結晶の性質について、原理をふくめて解説していきたいと思います。
しっかりと原理がわかれば丸暗記せずに自分で特徴を考えられるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ 分子結晶とは
分子結晶とは、原子が共有結合してできた分子がファンデルワールス力によって集合したものです。
結晶の性質を理解するためには、何がどういう結合で集合したのかを把握するのが大切です。
分子結晶の場合は、ファンデルワールス力で集合しているっていうのがとても大切になってきますので、そちらを確認しながら特徴を見ていきたいと思います。
⭐︎ ファンデルワールス力とは
ファンデルワールス力とは、一瞬の電荷の偏りによって生じたプラスとマイナスの引力です。
分子の周りは絶えず電子が運動しています。
電子が運動しているある瞬間だけ切り取ると、電子が存在する場所に偏りが生じます。
その結果、電子がたくさんある方はマイナスに、電子がスカスカな方はプラスに帯電するのです。
この一瞬の電荷の偏りによって生じたプラスとマイナスの引き寄せあう力がファンデルワールス力です。
一瞬だけ、たまたま生じただけの電荷の偏りですので、ファンデルワールス力はとても弱い力となっています。
⭐︎ 分子結晶の性質
分子結晶は、ファンデルワールス力というとても弱い力で分子が集合してできている。
この事実をしっかり理解しておけば、分子結晶の特徴の理解が深まります。
・分子結晶はもろくて柔らかい。
分子結晶はもろくて柔らかいという性質を持っています。
ファンデルワールス力という弱い結合で集合しているのだから、当然ですよね。
ファンデルワールス力は弱いので、簡単に結合が切れてしまいます。
なので、もろくて壊れやすいです。
・分子結晶は昇華性があるものが多い(融点が低い)
融点というのは、物質が固体から液体になる温度です。
熱運動の観点から見ると、粒子がバラバラになる温度が融点だといえます。
分子結晶に使われているファンデルワールス力は弱いので、簡単に結合が切れてバラバラになります。
なので分子結晶は融点も低いし、一気にバラバラになるので昇華(固体が直接気体になる変化)するものが多いです。
⭐︎ 分子結晶をもつ物質一覧
分子結晶をもつもの=昇華性物質です。
なので、ヨウ素・ドライアイス(CO2)・ナフタレンが分子結晶の代表的なものとなっています。
分子結晶ときたら、「ヨウ素・ドライアイス(CO2)・ナフタレン」とすぐに言えるように紐付けしておきましょう。
⭐︎ まとめ
分子結晶とは、原子が共有結合してできた分子がファンデルワールス力によって集合したもの。
弱い力であるファンデルワールス力で集合しているので、
・もろくて柔らかい。
・昇華性をもつものが多い
という特徴がある。
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