【高校化学】光学異性体・鏡像異性体についてわかりやすく解説!見分け方や条件は?
有機化学の構造決定問題でよく出てくる「鏡像異性体(光学異性体)」。
なんとなくわかるけど、概念をしっかりと説明できない人はとても多いですよね。
今回は鏡像異性体について、見分け方や条件、不斉炭素原子の定義などを徹底解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
⭐︎ 鏡像異性体の定義
鏡像異性体とは、立体異性体の一種で、立体構造が鏡の関係性にある一対の異性体のことをいいます。
そもそも異性体とは、同じ分子式だけど、回転しても重なり合わない物質同士の関係性のことをいいました。
回転して重なり合うことができれば、それは同じ物質と見なすことができるわけです。
立体異性体は異性体の中でも、同じ分子式・同じ構造式だけど立体配置が違うものことをいいました。
構造式は同じなのに、回転しても立体配置がかさなり合わない物質同士を立体異性体というのです。
鏡像異性体は、その名前の通り鏡の関係性にある立体異性体です。
例えば、右手と左手は鏡のように向かい合わせにすると重なり合いますけど、同じ向きだと決して重なり合いませんよね。
鏡像異性体も同じように、鏡の関係だと重なり合うけど、同じ向きだと重なり合うことができない物質同士の関係性だということができます。
ちなみに、鏡像異性体同士は光の振動する向きが違うため、別名「光学異性体」いう名前がついています。
⭐︎ 鏡像異性体を作る条件
鏡像異性体を作るためには、炭素の4本の手に全て違う原子団がついている必要があります。
そして、4本の手に全て違う原子団がついている炭素のことを「不斉炭素」といいます。
不斉炭素原子の有無で鏡像異性体がどうか調べることができます。
上の画像だと、左側は4つの炭素の手に全て違う原子団がついているので鏡像異性体を持ちますが、右は水素がダブっているので鏡像異性体を持ちません。
⭐︎ 例題
では、最後に鏡像異性体の有無を見分ける練習をしていきましょう。
以下の3つの物質が鏡像異性体を持つかどうか答えてください。
できましたか?
正解は、
(1)は持たない、(2)も持たない、(3)は持つ、です。
このように(1)、(2)では4本の手についているものがダブっているので鏡像異性体は持ちません。
(3)はダブりがないので、鏡像異性体を持つといえます。
⭐︎ まとめ
鏡像異性体とは、立体異性体の一種で、鏡の関係にある物質同士のことを指す。
鏡像異性体の有無は、不斉炭素原子(=炭素の4本の手に全て違うものがくっついている)かあるかどうかで見分けることができる。
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